国道29号線が姫路市内の石倉で北に向かい出す頃、右手にトンガリ山の名のままに鋭い頂を持つこの山が見えてくる。いつかは登ろうとして後回しにしていたが、1996年6月末の非常に蒸し暑い日に、近場でもと軽い気持ちで訪れた。登山道も分からぬままに峰相大池のそばに見えた小径を辿った。しかしその道は中腹にある採石場で終わってしまい、そこから尾根に取り付くのに一苦労した。そして灌木やシダヤブをかき分けて、162mの小ピークで山道に出会えた時は蒸し暑さにばて気味になっていた。その後はほとんど足の上がらぬ状態で急坂を登り、山頂では息苦しさに暫しグッタリと横たわっていた。低山といえども蒸し暑さの中では侮れないと、身にしみて反省した。ところで山頂は雑木に囲まれて展望は悪かったが、50メートルほど下の平らな所に亀岩(神岩)と呼ばれる大きな岩があり、その上に立つとすこぶる眺めが良かった。北側を除いて辺りの風景が一望だった。山頂で一息つくとすぐに亀岩に戻って、岩の上で暫しの昼寝を楽しんだ。ときおり吹く風の涼しさが本当に有り難かった。下山は登山道を忠実に辿って下って行く。最後に麓の竹林を抜けると、最初に歩いた小径に合流した。
(2004/12記)(2009/12改訂)(2021/3写真改訂) |