TAJIHM の 兵庫の山めぐり <中播磨
 
葛城  (不動山) 478.5m No.2
 かつらぎやま     ふどうさん
点名・山田 307.2m No.1
 
 
1/2.5万地図 : 安志 姫路市
 
【2008年2月】 08-20(TAJI&HM)
 
    姫路市林田町山田より  2008 / 2

 姫路市林田町の北を限る葛城山は数年前までは姫路市最高峰として存在感があったのだが、今は安富町も夢前町も姫路市域となったため、一気に標高は中位になってしまい、単に林田町の最高峰と言う昭和42年までの立場に戻ってしまった。この葛城山に再び興味を持ったのは休日に図書館で過ごしていたときのことで、林田町の資料を眺めてだった。葛城山は不動山(点名と同じ)の名で紹介されており、いにしえでは奥佐見の奥の道を進み、南麓の峠から山中にある不動山飯出寺(はんしゅつじ)を訪れていたと書かれていた。その飯出寺は戦国の世に焼失してしまったとのこと。この葛城山には11年前に奥佐見からではなく、東に尾根を一つ越えた大堤側から登っていたが、資料にあった南からのルートも悪くないと思えて、機会があれば歩いてみたいと考えていた。
 2008年の2月は兵庫北部は雪の日が多く、休日も雪となるとどうしても登る山域は中部から南部に限られてくるのだが、16日の土曜日もそのような日だった。晴れた中でのハイキングを楽しみたいこちらとしては、対象を宍粟市手前までとした。そして葛城山を思い出した訳だが、改めて地図を眺めると南麓の峠を挟んで南の307mピークにも三角点(点名・山田)が付いていた。ごく小さなピークなので、これも合わせて登ることにした。国道29号線で林田町に入り、六九谷地区を過ぎた辺りで八幡に向かう道に入った。八幡集落を通り過ぎて奥佐見に入り、適当に車を北へと進めると、車道は細々とした林道となって谷あいを続いていた。どうやら目的通りに峠に通じる車道を進んでいるようだった。駐車地点のことも考えながら進んでいると、溜め池が現れた。葛城下池と標石があり、その傍らに駐車スペースを見たので、そこに車を止めることにした。林道を歩き始めるとまだ数件の民家を見たが、どうも人の住んでいる気配は無かった。その位置で車道はほぼ終わっていた。そしてその先は山道が峠方向に延びていた。峠まで着くとそこは峠道を除いてすっかり笹に覆われいた。よく見ると目印テープがあり、葛城山の方向には杣道が始まっていた。まず始めに307mピークを登ろうと、反対側の南の方向に分け入った。分け入ると言っても尾根に沿ってケモノ道程度の道が付いており、少しヤブをこぐ程度で登って行けた。さほど急坂になることも無く、木に掴まりながらもまずまず順調に登って行けた。周囲は雑木が占めて視界を妨げていたが、中間点辺りで一度西の方向が開けて、林田町と宍粟市を分ける尾根が眺められた。特に苦労をすることも無く、15分も登れば山頂だった。地図で見ても峠との標高差は100mほどなので、ほんの一登りと言ったところか。山頂は少しヤブになっており、周囲を雑木に囲まれていた。三角点を確認するとすぐに引き返す予定だったが、それでは少々味気ないので、少しは展望を得ようと手頃な木に登ってみた。すると南に尾根続きとなる松尾山が間近く見えていた。その眺めでここが奥佐見の山であることを実感した。一休みしたところで引き返す。下山は葛城山を正面に見ながらだった。その東西に長く延びる尾根を見ているうちにあっさりと峠に下りた。下山は10分だった。足慣らしを終えたという感じで葛城山へと歩き始めた。北に向かって笹の中の切り開き道を目印テープのままに歩いて行く。次第に道ははっきりして、以前から歩き続けられて来た山道の雰囲気となった。てっきり尾根を登って行くものと考えていたのだが、道は谷に近い所を続いていた。周りは手入れの悪い植林が囲んでいる。道ははっきりしており、目印の赤テープも切れずに続いていた。その道はやがて谷間へと近づいて、谷沿いを歩くことになった。それにしてもずっと緩やかに続く道で、あまり山を登っている感じでは無かった。そのコースの途中で唐突と言った感じで葛城山の標識が現れた。ここが登山ルートということを示す初めての標識だった。もう辺りは雑木林に変わっており、少し明るくなったようだった。やがて谷の奥詰めと言った雰囲気になってきたとき道がはっきりしなくなった。そして傾斜が増して来た。その辺りで目印テープを見失ってしまった。見失ったと言ってももう尾根は近いので、疎らな雑木の中を適当に登って行くことにした。途中に少し平らな所もあったりして無理なく登れて、程なく尾根に出た。尾根はすっかり木々に囲まれており薄暗かった。そこにうっすらと雪が残っていた。そこからは木々を通して東の方向に山頂が間近に見えていた。尾根にははっきり道があり、それを数分も歩けば山頂だった。山頂は三角点を中心に平らに開けており、そこに陽射しがいっぱい注いでいた。ちょうど昼となっており、昼食とする。この葛城山は展望は良くないと記憶していたが、三角点回りのみ木々が見られないだけで、相変わらず展望の無い山頂だった。特に北側は植林が育ったこともあり薄暗くなっていた。雑木の繁る南側は比較的明るく、木々の隙間から瀬戸内海の光っている様が覗いていた。その山頂で暖かい陽射しに誘われるままのんびりと休んでいたのだが、そのうちに空がうっすらとしてきたかと思うと、小雪が舞い出した。北の雪雲が流れて来たようだった。風も出て肌寒くなってきたので下山とする。下山は山頂に着いて改めて目にした目印テープを追うことにした。山頂からは南の方向に尾根が延びているが、目印テープは南西方向に尾根を離れるように続いていた。その方向へと下って行くと、ちょうどテープを見失った辺りに出てきた。後は谷沿いを往路のままに戻るのみ。その谷沿いを歩いているときに、大きな岩の間を通り抜けた。登っているときは何気なく通り過ぎたが、そこがどうやらいにしえの飯出寺のあった跡のように思われた。ちらついていた雪もその頃には止んでいた。緩やかな坂を下るとあって下山はいたって順調で、山頂を離れてから40分とかからず峠に戻り着いた。空には青空が戻っており、すっかり明るくなっていた。
(2008/2記)(2021/12改訂)
<登山日> 2008年2月16日 10:06葛城下池スタート/10:16峠/10:31〜58点名・山田/11:08〜12峠/11:56尾根に出る/12:03〜40葛城山/13:18峠/13:28エンド。
(天気) 北の空には雪雲が広がっていたが、上空から南はよく晴れていた。気温は4℃と少し低めながら、風が少ないこともあってあまり寒さは感じなかった。昼を過ぎると北の雪雲が流れて来て、曇り空に変わった。そして小雪がちらつき出した。
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駐車地点はこの葛城下池のそばとした 車道を歩き出すと最奥の民家を見たが、人
は住んでいないようだった
峠に着くと、一帯は笹が広がっていた
  
307mピークへと登り出すと、始めは
ヤブだったが、次第に歩き易くなった 
307mピークはヤブだったが、三角点
に光が当たっていた
307mピークの展望は悪い 木に登って
南に続く尾根を見る
 山頂の木に登っ
 て西の尾根を見
 る

  左の写真の左端
  に覗く揖龍アル
  プスを大きく見
  る

 307mピークから
 の下山は葛城山を見
 ながらだった

    葛城山へは笹の中の
    切り開き道を目印テ
    ープを追いながら歩
    き始めた
 
程なく、はっきりとした山道となった 突然、葛城山と書かれた標識を見た 尾根に着くと、一帯は雪で白くなっていた
雑木林の中を良い雰囲気で山頂に近づい
山頂は小さく開けていた 三角点の周囲の
み陽射しがあふれていた
山頂からは木々を通して光る瀬戸内海が眺め
られた
    

 下山は小雪の舞う
 中だった 足早に
 下山する
 

 大きな岩のある所を
 過ぎた 昔、山中に
 あった飯出寺のあっ
 た跡のように思われ
 た