丸い山容で一目で分かるのが一山であろう。この一山を間近で眺めたいと思い、「音水湖」の地図を開いて注目したのがこの山だった。一山の北東近くに位置する標高758mの無名のピークで、四等三角点ピーク(点名・滝谷)であった。一宮町の阿舎利川と公文川に挟まれた細長い尾根上にあったので、阿舎利川側からアプローチすることにした。向かったのは1995年11月の快晴の日で、阿舎利集落に通じる道を進んで字マドコと呼ばれる地区に入ると、迷惑では無さそうな駐車スペースを見つけて駐車とした。そこより北に谷沿いを進み、途中からは左手の尾根に出て主稜に向かった。主稜に出ると、後は稜線なりに山頂を目指した。ルート中に登山道は無く、踏み跡程度の道が少々見られただけだった。ただ主稜は低木の小枝に多少煩わされはしたものの、イバラや笹ヤブに悩まされずに歩けたのは良かった。また尾根は紅葉の盛りで、それを見ながらの登りでもあった。その主稜に出てからはこの日の目的である一山への展望を求めたのだが、尾根は樹林に囲まれて展望がなかなか現れなかった。山頂の手前で少し一山が見られたので山頂に期待したのだが、そこはすっかりり樹林に囲まれていた。そこで休憩は少し戻って唯一の展望地でとることにした。東山から阿舎利山までの山並みを眺めることが出来たが、やはり一山は間近なだけに大きかった。これまでで一番迫力のある一山だった。その一山も山肌が紅葉の見頃で、目を楽しませてくれた。下山はすんなりと往路を戻った。下山後、阿舎利川の河原でも暫しの憩いのときを持った。快晴のもと、終始静かな登山を楽しむことが出来た。
(2002/6記)(2006/6改訂)(2024/3写真改訂) |