相生市那波本町の西にあるのが宮山。ごく小さな山だが相生市街の間近にあり、その山頂には国旗の掲揚台があって、相生市街はもとより国道2号線を走っていても、良く目立っている。その宮山に山頂に向かう登山道が国道250号線を走っているときに見たので、それを歩いて山頂を目指すことにした。それは1999年3月の好天の日のこと。登山道は見えたものの、登山口はどこだろうと暫く南の山裾を車でうろうろしたが、結局分からず。車で登山口を探すのは諦めて、適当に登山道の方向を目指すことにした。山の西側を山陽自動車道が通っており、その山陽道と西谷町からの山越えの細道が交わる辺りに駐車とした。山陽道に沿って自動車が通れる荒れ道が付いていたので、それを歩いて取り付き点を求めた。その付近の山肌は、山陽道のために法面工事がされており、その管理用なのかそこに階段が付いていた。それを登って尾根を目指した。階段が終わると、すぐにイバラや灌木の密集帯に突っ込むことになった。登山道との出会いを求めて進んで行ったが、きついヤブコギを強いられてしまい、剪定ハサミで切り開かなければ進めない所も多かった。山頂に向かう尾根に近づいた頃、漸く登山道に出会った。その道は中腹を巻くように通っており、途中より山頂に向かう尾根道が分かれた。尾根道は広々と岩肌の露出した所もあって至って歩き易かった。低山だけに登山道に出会ってからは短い時間で山頂に出た。山頂の展望は良かった。東から南にかけて開けており、相生市街を眺めるには絶好の展望地と思えた。町並みの先には天下台山が大きく見えていた。またそばの国旗掲揚台に上がってみると、そこからは360度の展望が広がっていた。赤穂方向の山並みや三濃山から的場山への山並みが見渡せた。この山頂も岩肌が露出しており、休むのにも好都合の場所だった。少し登って来た方向に戻ると、そちらは南に展望が広がっていたが、登山道がなんと山陽道に向かって下りているのが見えた。スタート時にもう少し山陽道に沿う道を歩いておれば、その道に出会っていたことになり、少々呆気にとられた。わざと難路を歩いて来たとしか思えない。下山は正規の登山コースを確認するため登山道なりに下ると、道は駐車地点とは逆の東の方向に向かい、下り着いた所は那波八幡神社だった。この神社にゆかりがあって宮山と呼ばれていると考えられた。この登山道を登り直して、尾根に進まず西進すると、山頂から見えた通り山陽道に行き着いた。先に巻くように登山道があると書いたが、尾根越えの道だったと言える。なお山頂からは北へとまだ登山道が続いていたので、次回に歩こうかと考えた。
(2002/2記)(2007/3改訂)(2020/9写真改訂) |