御津山脈の西端となる仏ヶ台山に初めて登ったのは1998年12月半ばのことで、穏やかな晴れの日だった。この293mピークが仏ヶ台山と名があることも知らず、ただこの山頂からなら相生湾が良く見えるのではの思いから訪れたものだった。相生市と御津町(現・たつの市)を分ける尾根を辿れば簡単に山頂に達するのではと考えて、御津町の西端に位置する柏公園から登ることにした。期待した山道は見えず適当に山肌に取り付いたところ、潅木とシダが混じって想像以上にヤブだった。そこを無理やり登って尾根に出た。尾根では小径があるのではと考えていたのだが、踏み跡程度の道も見当たらなかった。潅木が濃密に尾根を覆っているのみだった。その潅木をかき分けかき分け進んで行くしかなかった。所々シダヤブもあってそこは避けて進むので、時間の割にはほとんど進んでいなかった。186mピークの手前にマイクロウェーブ反射板があり、そこでは展望が良く、思わず一休みとした。西向かいの相生湾にある発電所や、南方の岬の辺りが良く見えていた。そこからは潅木の密集度がやや減ったものの、手でかき分けて進むことには変わり無かった。とにかく道らしきものが無く、終始ヤブコギと言って良かった。ただ東へと向かう尾根はほとんど平坦と言ってよく、登る厳しさは無かった。尾根が北へと向きを変えて上り坂になった頃、展望地に出た。そこは南が開けており、室津の町並みが良く見えていた。その先もヤブコギが続くことになり、展望は再び閉ざされた。漸く少しは歩き易くなったかと思えたときは、もう山頂が目前だった。山頂は平らになって休憩には適していたが、そこも雑木に囲まれて展望は悪かった。そこで登り易そうな木を見つけて登ってみると、けっこうすっきりと東の尾根が眺められた。天下台山を始め御津山脈が一望だった。また室津港の佇まいもすっきりと眺められた。山頂で休憩としたが、陽射しが無く底冷えがしてきたため長居は出来なかった。
下山は北西の小ピーク(大黒山)を通ってそこから北へと延びる尾根を下って行った。相変わらず道は無かったが、潅木が疎らであり、また下生えも少なくけっこう歩き易かった。尾根に常緑樹の落ち葉が散り敷いている風景も良かった。そのうちにはきついヤブも出てくるだろうとと思っていたが、そういうことも無くどんどん下って行けた。麓が近づくと尾根筋があやふやになり、そのため北寄りに下ってしまい、最後に竹林を通って野瀬集落に出ることになった。けっこう無難に下れたことで、山頂へのルートとしては
この北側からが正解ではと思えた。後は国道250号線を歩いてスタート地点の柏公園へと戻って行った。
(2006/2記)(2008/2改訂)(2022/1写真改訂) |