TAJIHM の 兵庫の山めぐり <西播磨編
 
雄鷹台山    おたかだいやま 310.5m たつの市・相生市
1/2.5万地図 : 網干
 
【1994年3月】 No.1 1994-13(TAJI&HM)
 
    屋津坂より  2005 / 9

 播州室津港はいにしえより海の駅として栄え、江戸期では参勤交代の本陣が六軒もあって栄華な港町であったとか。それが明治以後次第に寂れ、今は漁港としてひっそりとしている。その室津の背後に海岸線間近まで大きな尾根が東西に走って壁となっているが、室津港から眺めたとき、北西方向に大ぶりの山が目に付く。それが雄鷹台山である。ふつう雄鷹台山と聞けば、赤穂市の播州赤穂駅に近い低山を思い浮かべるものだが、この311mピーク(点名・奥山)も、同名で呼ばれていることを知ったのは、この山並みを御津山脈と呼ぶようになり、尾根道も整備されてからだった。その雄鷹台山の名も知らない1994年3月に、この山を初めて訪れた。なぜこの山を登ることにしたのかは単純な理由で、室津に近いその山上に立てば、室津港が眺められるのではとの思いからだった。しかし今思い出しても信じられない苦労を、この低山でさせられてしまった。
 この日の天気は特に悪くは無く、雲こそ多かったが暖かい晴れで、ごく気楽な感じで向かった。どこをてがかりに登るかは特に考えていなかったので、車は室津からは西隣となる、大浦の浜の空き地に駐車とした。そして屋津坂を歩いて近づいて行った。鳩ヶ峰の近くまで歩くと、御津町と揖保川町の町境尾根に目印が付いていた。その尾根の先が山頂となるので、町境尾根を登って行くことにした。尾根には踏み後程度の小径こそあったが、ヤブが多くイバラによく引っかかった。ただ特に無理も無く山頂に着いた。その山頂は雑木に囲まれており、ダイセル化学工業播磨工場の敷地であることを示す標柱が立てられていた。そばには鉄条網も張られていた。工場敷地の境界線を示すものであろう。展望も無く平凡な山頂だった。何とか展望はと近くの木に登ってみたが、僅かに室津の町並みを望めただけだった。その山頂から南の大浦集落の方向へと踏み跡程度だったが小径の続いているのが見えたので、下山路としてそれを辿ることにした。始めこそ順調に辿れたのだが、次第に道が分かり難くなって来た。今思えばコースを外れたのかも知れなかったが、麓に近づいていたことでもあり、真っ直ぐに大浦集落を目指して下りることにした。そして汚い沢沿いを下ることになったのだが、途中からイバラがはびこり出した。すぐに終わるものと進んだのが間違いの元で、平坦地となっても一帯はすべてイバラの原で、ジャングル状態だった。もう引くに引けず、ただひたすらイバラを1本1本切って進むしかなかった。最後は突然のごとく民家のそばに出たが、どう見ても30分とかからない距離に2時間を使っていた。
(2006/2記)(2021/7改訂)
<登山日> 1994年3月20日 10:30スタート/12:05〜13:10山頂/15:00エンド。
(天気) 曇り時々晴れ。気温は少 し高めだった。
写真は無し