高倉山はたつの市新宮町の市街地にほど近い山で、国道179号線沿いにあることもあって、よく目に付く山である。ただ高倉山は見る方向によって姿の異なる山で、南から見る限りでは、東隣の420mピークの方が高くて姿の良いこともあって、高倉山のピークはごく平凡な山にしか見えない。それが西の千本地区からだと、三角形の鋭角的な姿で、高倉の名に相応しい山容を見せてくれる。
この高倉山を初めて登ったのは1996年の正月休みの時だった。山に関する資料も無いままに、地図を見て南側から登ることにした。そこで 新宮町平野の八幡宮前の駐車場に駐車とした。神社からは高倉山に向かって谷筋を歩いて行くと、すぐに地図に無い林道に出会った。その林道を終点(標高250m辺りか)まで歩き、後は南東尾根に取り付いて、尾根を登って行った。林道周辺は杉の植林帯であったが、尾根は落葉樹の雑木林となって、気持ちよく登って行けた。高倉山山頂はその雑木林のために、展望はよく無かった。なお山頂には小さな祠が置かれていた。そこから主尾根を南東へと歩いて点名・篠首(378mピーク)に向かった。その尾根も疎らな雑木林で、か細いながら尾根道が続いていた。ほとんど展望がきかなかったが、ときおり北側が覗けることがあった。生憎の天気のため、遠方はほとんど見えていなかった。展望が良くなったのは378mピークに立ち寄ってからの下りで歩いた尾根で、それは378mピークの西隣にある360mピークから南へと延びる尾根だった。下っていると、一カ所大きく南側が開けた所が現れた。その頃には天気は回復しており、そこからは南向かいに的場山から亀山へと続く山並みや、遠くは瀬戸内海までが見渡せた。麓に着いた後、「安志」の地図をよく見ると、神社の南の148mピークにも三角点(点名・フタゴ山)の記号が付いていたので、そこにも登ってからスタート地点へと戻って行った。
(2006/4記)(2012/6改訂)(2019/1写真改訂) |