山崎町を走る中国自動車道の北側にあって、自動車道と平行する尾根がある。その尾根の南東端ピークは篠ノ丸城址が山上に広がる一本松で、中腹にはモミジで名高い最上山もあって、一帯は公園になっている。ただ尾根の最高峰は西にある512mピークの篠の丸(点名・上牧谷)で、遠くからはそのどっしりとしたピークが尾根から突き出ており、まさに主峰の感がある。訪れたのは1997年3月下旬のこと。北麓側となる山崎町片山の県集落から始まる林道を利用して登ろうとの計画だった。
車は上り坂の林道を少し進んだときに現れた溜め池のそばに駐車とした。そこから林道の続きを登り出したところ、林道はすぐに終わってしまった。後は沢沿いに続いていた小径を歩いて行った。その小径も進むほどに怪しくなり、また倒木が遮り出したので、沢を離れて右手側の植林された急斜面を登ることにした。斜面を登り詰めると、山頂に真っ直ぐ向かう尾根に出た。この尾根は少々傾斜がきつく、ほとんど植林帯が占めており展望は悪かった。まずはゆっくりと登って行った。少し雑木も混じり出して岩が散見され出すと、程なく山頂に着いた。山頂は杉や雑木が繁って展望は悪かったが、二カ所で部分的に伐採されており、そこからは見通しがきいた。やや霞がかった視界だったが、一カ所からは北東向かいの水剣山が大きく見えており、もう一カ所からは東の方向に集落が眺められた。山頂部は三角点のあるその場所と、少し南の同じ様な広さの場所に分かれており、南の方がわずかに高いかと思われた。そちらに移動すると、木々の隙間から中国自動車道が眺められた。この日は雲は多いながらも、まずまずの晴れだった。陽が雲に遮られると肌寒くなったが、陽が当たっていると程良い暖かさだった。山頂ではその陽射しの暖かさに誘われて、暫し昼寝を楽しんだ。下山は南東方向にある472mピークとの鞍部に出て、そこより谷筋を一直線に下って行った。ただ鞍部に出るときに少しコースを離れてしまい、軌道修正に手間取ってしまった。その谷筋は往路で歩いた沢に続いており、暫く歩いて行くと往路で歩いた見覚えのある地点に出た。後は駐車地点までは往路と同じ道を辿った。
(2002/8記)(2009/8改訂)(2021/6写真改訂) |