東里ヶ岳の名は但東町の東里集落から付いたかと思われるが、そうなるとその東里集落から登ろうと考えた。東里集落を抜ける車道を奥へと進むと、道は林道となって堰堤前で終点となった。車はそこに駐車とした。往路は東里川に沿って登って行った。途中まで山道があったが、次第に細ってやがて消えてしまった。後は沢筋を登って行く。ときに沢を囲む植林地を登ったりした。朝のうちに小雨が降ったのか、潅木や下草が濡れていた。そこでレインウェアを身につけて登った。沢を源流部まで登るとけっこう急斜面となって、やや手こずらされた。そこを乗り切ると、緩傾斜の尾根となった。尾根はクマザサに覆われてはいたが、繁っていると言うほどでもなかったので、少し歩き難い程度で進めた。程なく山頂に着いた。山頂は雑木に囲まれて展望は良いとは言えず、東の方向が少し開けている程度だった。着いたときは周囲の山々にはまだガスがかかっていたが、暫く経つと消え出した。東の方向に京都府内の山並みが現れてきた。他の方向も見ようと近くの木に登ると、北の高竜寺ケ岳や南西の床尾山系の山々が何とか木々の間から望まれた。山頂では昼寝もして、2時間ほど過ごした。下山は北北西に延びる尾根を下って行った。その尾根もクマザサに覆われてはいたものの、繁るほどでは無かった。その中をケモノ道程度の小径が付いていた。但し、歩くうちに一部は不明瞭になっていた。尾根はクマザサに雑木が混じっており、その雑木が新緑を迎えていたので、その鮮やか緑を楽しみながらの下りでもあった。その尾根を最後までは下らず、途中より右手の斜面に入って堰堤方向を目指した。無事に沢沿いの道に合流すると、後は駐車地点を目指すだけだった。なお季節がら山菜に出会えるかと思っていたが、麓でミツバを眼にしたのと山頂でワラビを僅かに見ただけだった。
(2002/5記)(2011/9改訂)(2021/6写真改訂) |