二度目に訪れたのは6年後の2000年4月のこと。前回で人擦れがしていない山との印象を受けており、またけっこう登り堪えがあって充実感も味わえ、水剣山には好印象を持っていた。そこで更にじっくり登ってみようとコースを変えて挑むことにしたものである。今回は南西麓の東下野集落から始まる長い尾根で山頂を目指すことを考えた。東下野集落より伊沢川を渡って水見山に向かう林道を進み、数百メートル入った辺りにある林道脇の空き地に駐車とする。林道の北側には水見山山頂
までほぼ真っ直ぐ延びる尾根があるが、その尾根を目指して、駐車地点より沢を越す。そしてすぐにその斜面に取り付いた。雨上がりの後で少し滑り易くなっており、また雑木も繁って、やや登り難くなっていた。尾根に着いても雑木は変わらず繁っており、かき分けながら登っていると、やがて尾根道が現れた。落ち葉が散り敷いていて少し歩き難かったが、雑木の小枝に悩まされることが無くなり少しは楽になった。やや急な登りがあって、送電塔に着く。そこは一帯が刈り払われており、展望地になっていた。足下には東下野の田畑風景、南向かいに長水山が対峙している。ただこの日はモヤが強くて、少し遠い山は全く見えていなかった。送電塔を離れて、ひたすら尾根を登って行
く。尾根は一部に植林帯が見られたが概ね雑木帯で終始する。播州の山としては南部になるので、常緑樹が多く見られた。また花はツツジが鮮やかで、コブシは盛りを過ぎていた。尾根道は途中ではっきりしなくなったが、
尾根筋がはっきりしており、また邪魔な小枝も減って、道が無いことも気にならなかった。ただ尾根は急な所もあって、灌木の幹を掴みながら登ることもあった。標高も700mを過ぎると小ピークが二つ現れたが、二つ目の766mピークを過ぎた所の細尾根に岩場があって、ちょっとした展望台になっていた。送電塔よりそこまでほとんど展望がなかっただけに、少し小休止をとることにした。そこからは梢越しに山頂が見えている。
また東隣の尾根の808mピークにあるマイクロウェーブ反射板も見えていた。そこを過ぎて暫く緩やかに登った後、山頂手前でやや急坂となった。そこは所々で岩が露出しており、その日一番の山登りらしい雰囲気になった。上り詰めた所が三角点のあるピークだったが、そこは雑木に囲まれており、一部疎らな所より長水山方向が望めるだけだった。ちょうど昼時となったので、三角点ピークで昼食とした。食後、パートナーを残して一人で北東隣の水剣山最高点(880m+ピーク)を覗くことにした。数分で着くと、そこは北側が広々と伐採されており、素晴らしい展望が広がっていた。最近、伐採されたもようである。前回来た時は全くの雑木帯であっただけに、期待していなかった分、その展望に喜びも大きかった。さっそくパートナーを呼んで、改めてその最高点ピークで休憩とした。何と言っても北正面の黒尾山が圧倒的である。
深い谷を挟んで対峙するだけに、ボリューム感があった。その右手前には、この一月に登った峰旗(855m)も全姿を見せていた。そして鷹巣の山々も。強いモヤの視界がただただ残念である。下山は、登りとは違ったコースでと考えていたが、午後も遅くなっていたことでもあり、同じコースを戻ることにした。同じ道だけに気楽
な下りだった。途中、また岩場の展望地で小休憩をとる。この帰路で登りで見過ごした尾根の途中の413m三角点を見ることを考えていたが、また見過ごしたようで、気が付くと麓が近くなっていた。最後、尾根道が不確かになった後は適当に下って林道へと向かった。林道に出てみると、そこは駐車地点とは僅かな距離だった。
(2002/1記)(2010/9改訂)(2020/10写真改訂) |