水剣山は水見山とも書かれるが、山崎町の空を画する山として、黒尾山と共にとにかく宍粟郡南部では目立つ山である。国道29号線を南から山崎町に入って揖保川にさしかかったとき、北を見ると長水山の後ろにどっしりとしたその姿が現れる。それを見るといつも山崎町に着いたことを実感するものである。この水剣山を初めて目指したのは1994年3月の下旬だった。登山道は期待していなかったので、地図を見て南麓の大谷集落側からアプローチすることにした。大谷集落の東外れより林道が始まるが、その林道入口に駐車して林道を歩き始めた。林道が終わってもそのまま沢筋を詰める予定であったが、林道終点よりすぐに道が怪しくなったため、東側の斜面に取り付いて東の尾根に向かった。尾根に出ると真っ直ぐ北へと登って行く。尾根は歩き易い所もあれば、イバラで苦労する所もあった。登り詰めた所が808mピークだった。そこから水剣山までは尾根はやせて吊り尾根になっていた。途中に岩場があり、そこは展望が広がっていた。北には黒尾山も見えていたが、南の長水山の眺めが素晴らしかった。歩き始めてから3時間近くかかって山頂に到着となった。標高としては900mに満たない山だったが、麓との標高差が650mほどあり、またイバラを切り開いたりしての登山だったので、時間がかかってしまったようである。山頂の三角点ピークは南東部(山崎市街の方向)のみ開けていた。この日は往路をすんなりと引き返して下山とした。但し林道には下りず、尾根を下りきって大谷集落へと出た。
(2002/1記)(2010/9改訂)(2022/1改訂2) |