山崎町の北を限る尾根は波賀町との境界尾根がひときわ高く、900m前後の高さで長々と続いている。その三角点ピークに深山の名が付いているが、遠くから見るとその三角点ピークが秀でているわけではなく、一帯の900m前後の尾根を総称で深山と呼んでも良さそうである。この深山を訪れたのは1995年の8月始めの快晴の日だった。県道内海山崎線をどこまでも北へと向かうと、最後は岩上神社で終わるが、その先は林道となって標高800m辺りまで続いている。足慣らしの意味もあって林道入口より歩くつもりだったので、車は岩上神社の駐車場に駐車した。意外と涼しい朝で、気持ち良くスタートした。そして林道終点まで歩くと標高は既に800mとなっており、あと100mも登れば山頂だった。ただ林道終点から道は無く、杉の植林地に沿って登って行くも、植林の手入れが悪い上にクマザサが繁っており、けっこう登りづらかった。植林地が切れた所からは全くの笹ヤブとなっており、いっそうのアルバイトを強いられた。それに気温もぐんぐん上がっており暑さも厳しくなっていた。なんとか尾根に出たものの、一帯はなだらかな地形になっており、山頂方向が見極め難くなっていた。何とか三角点ピークと思われる地点に辿り着いたが、辺りはクマザサが繁っており三角点を確認するのは諦めた。ただそこまで全く展望は無かったのだが、そこに来ると北の斜面が伐採されており、辺りは丈の低いササが繁っているのみで、見事な展望が広がっていた。けっこう澄んだ視界で、西の日名倉山から後山、植松山、大甲山、そして北東の阿舎利山まで遮るものも無く見渡せた。特に植松山のどっしりした姿が素晴らしかった。ここに来て時おり涼しい風が吹きつけてきたのもありがたかった。ともかくこの素晴らしい展望を得て、深山に来たことを満足出来た。下りは同じコースを辿って、その途中では林道沿いの伊沢川に入って水浴びを楽しんだ。
(2002/1記)(2010/7改訂)(2020/11写真改訂) |