二度目の登山は同じ1994年で、半年後の11月だった。最初の三久安山が今一つはっきりとした印象を持てなかったため、今一度確かめたくて訪れたものである。二度目は南からの尾根でアプローチすることにした。11月20日のことでこの日も快晴の空だった。波賀町引原にある引原小学校跡に近い場所に駐車する。音水湖周辺は、今が紅葉の真っ盛りだった。三久安林道を終点まで歩き、その続きの中谷木材所有の作業道を終点まで歩いた。そこまでは車道のため、けっこう速く歩いて行けた。但し植林帯がほとんどのため展望は無かった。作業道の終点で標高は860mほどになっていた。その先は小径も見えないため、杉の植林地を適当に登って行くと三角点ピーク(標高982m、点名・新道)に着いた。そこも植林のまっただ中と言った様で展望は無し。その先は尾根を歩くようになって、そこには小径が続いていた。尾根は笹に覆われており、疎らに落葉樹が立っていた。982mピークから山頂までの間には、地図上に高度の記載のないピークが三つ(1010m、1020m、1110m)あり、山頂までが少し長く感じられた。また尾根道は歩き難いと言うほどでは無かったが、山頂が近づく頃には少々クマザサが煩わしくなっていた。その尾根は紅葉が既に終わっていたため、木立を通して周辺の山々が眺められた。阿舎利山から一山、音水湖西岸の山々など。ただ氷ノ山にはガスがかかっていた。歩き始めてから3時間近くかかって山頂に着いた。その二度目の山頂で、天気の気まぐれに会ってしまった。食事の支度が終わってまさに食べようとした時に、晴れていた空が一気に曇り、雨が降り出して来た。しかも大粒の雨だった。雨具を着るのが精一杯で、雨中の食事となってしまった。そして食事が終わるのを見ていたかのように雨が止んだのだった。呆気にとられる思いだった。下山は同じルートを辿って戻った。
(2001/11記)(2012/6改訂)(2020/8写真改訂) |