千種町から大通峠を通って鳥取県若桜町に入った。林道が県道に合流して暫く進んだ位置より、くらますへと向かう林道(作業道の名が付いていたが)の入口に駐車した。始めに植林の多く見られる沢沿いの林道を登って行った。途中で山菜採りからの帰りと思われる地元の人に出会ったとき、登山コースについて訊ねてみたが、要領を得なかった。登るうちに林道の延伸工事中の現場に出た。そこを迂回して先へと進むと、伐採後の植林間もない広々とした所に出た。その植林地の中に作業道が付いていたので、それを登って行くことにした。遮るものが無いので、展望は大変良かった。またワラビやウドが辺りによく目に付いた。植林の幼木帯が終わると、クマザサと新緑の木々が混じる斜面となった。作業道はもう終わっていた。クマザサをかき分けて適当に登って行くことにした。クマザサの密集度が低いので、特に厳しさは無かった。そのクマザサ帯がけっこう長く続いた。斜面の傾斜がきつくなってきたので、潅木の枝を掴んで体を引き上げるようにして登って行くと、クマザサ帯を抜け出した。その先は傾斜は緩くなっており、辺りは膝までのササと潅木の広がる伸びやかな場所だった。展望もすこぶる良かった。所々に岩があって、そこに立つと南から西にかけての山並み、後山に天児屋山、
沖ノ山、東山と雄大な山並みが一望だった。そこまで来ると、稜線は近かった。細々とケモノ道程度の小径が見えたので、それを辿って稜線へと向かった。緩やかな山稜部に着くと、そこより三角点のある山頂までは今少し距離があった。山稜はほとんど平坦なのだが、山頂までにまたクマザサが現れたり、潅木が繁っていたり、更にネマガリダケまで現れてけっこう歩き難かった。
しかし、漸く着いた山頂には高い木は無く、展望が良かったのは救いだった。それまでは西の展望のみ良かったが、その西の展望だけでなく東の展望も開けており、兵庫側の千メートル級の山々が一望出来た。山頂では展望だけを楽しんで、昼休憩は先ほどの露岩の展望地に戻ってとった。下山は登って来たコースを辿って下った。傾斜がきついだけに下りは早かった。そして幼木の植林帯では少しばかり山菜採りも楽しんだ。
(2003/2記)(2010/5改訂)(2021/10改訂2) |