TAJIHM の 兵庫の山めぐり <鳥取県の山 
 
    とうせん 1388.0m 若桜町・智頭町(鳥取県)
 
1/2.5万地図 : 岩屋堂
 
【1993年11月】 No.1 1993-57(TAJI&HM)
 
    「くらます」より  2002 / 5

 兵庫県境尾根に近い中国山地には魅力的な山が多いが、なかでもこの東山(とうせん)はこの地域では氷ノ山に次ぐ標高とあって、その姿と合わせて是非チャレンジしたい山だった。地図を見ると東山の南麓を走る沖ノ山林道からのアプローチが一番楽そうに見えたので、芦津渓谷からその林道を若桜町との町境尾根まで歩き、そこより東山に向かう計画を考えた。訪れたのは1993年11月初旬。姫路の自宅を出たのは7時15分。国道373号線を走って鳥取へと入り、芦津渓谷への道へと入った。そして三滝ダムの上部に着いて、そこに駐車とした。林道を県境まで歩いて東山の南の肩まで来たものの、そこからどう登ってよいものやら分からない。既に歩き始めてから2時間が経っていた。目印のようなものは無いかと辺りを探ったが何も見えず、もう適当に取り付くしかなかった。ただ標高も1100mを越えており、山頂との標高差は300mも無いので、意外と山頂まで早く登れるのではと思えた。そこで登り易そうな所はと辺りを見て、ネマガリダケの伐採されていた山肌に取り付いた。伐採のおかげで難なく登って行け、尾根も辿れるようになって来た。そのまま山頂近くまで登って行ければと思え出したとき、俄然、猛烈なネマガリダケのブッシュに突っ込んだ。もう体全体でネマガリダケを押しのけながらでないと登って行けなかった。展望など全く無く、ひたすらネマガリダケとの格闘が延々と続いた。現在地を知ろうと木にも登ってみたが、とんと検討がつかなかった。いずれは少しぐらい楽になるのではと願いながら登っていたところ、ひたすらネマガリダケのヤブは続き、とうとう山頂までヤブコギの連続だった。取り付き地点からの距離はわずかなのに、3時間もかかってしまっていた。歩き始めてからなら5時間だった。着いた山頂もネマガリダケのまっただ中で、展望は全く得られない。何とか展望はないものかと辺りを探って、僅かに氷ノ山から三室山にかけての展望を得るのがやっとだった。山頂では遅い昼食をとったこともあって、40分ばかりを過ごした。秋の夕暮れは早いので、下山は東の方向へ真っ直ぐに林道を目指すことにした。体全体でネマガリダケを押しながら転がるように下りたので、なんとか1時間半ほどで林道に出られた。もうすでに夕暮れが迫っていた。この後は沖ノ山林道を歩いて麓へと戻ったのだが、途中で日が暮れてしまった。ヘッドランプの準備を忘れていたため、後は真っ暗闇の中、足探りの下山になってしまった。
(2002/6記)(2020/3写真改訂)
<登山日> 1993年11月9日 9:50スタート/14:50〜15:30山頂/19:30エンド。
(天気) 朝方は曇り、昼からは快晴となる。
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(←)
山頂近くにて何
とか展望を得た

北東方向を望む


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南東方向を見る