檀特山の山頂で昼食をとろうと軽い気持ちで向かったのは、2002年5月のゴールデンウィーク最後の日だった。南西側にある登山口はすぐに分かったが、道は山裾を巡るだけで、
山頂に向かう道がすぐには現れなかった。どこから山頂への道が始まるのかと疑い出したとき、山頂方向に向かう細道に出会った。主コースとは思え無かったが、ごく低山でもあるので、
その道でも問題ないだろうと思えて、細道を登って行くことにした。すぐに周囲は照葉樹が茂る薄暗い森となった。 道は荒れることもなく緩やかに続き、やがて主コースに合流した。道幅も1メートル以上と立派になり、後はそれ
を歩いて山頂に向かうのみ。山頂が近づくと、周囲の林が疎らになってきた。その林の中を登山道は真っ直ぐに続いており、道の先には青空が広がっていた。ごく低山にしてはけっこう良い雰囲気だった。そして着いた山頂も広々として開放感があって悪くなかった。
展望台やベンチも設けられていた。案内板が立っており、どうやら「檀特山ふるさとの森」として整備されたようだった。先着者に一組の夫婦がおり、展望台の下で日を除けて昼食をとっていた。こちらは陽射しが降り注ぐベンチのテーブルで休憩とした。涼しい風が渡っており、陽射しをまともに浴びながらも快適だった。食後は展望の良いこの山頂で、周囲の風景を楽しむことにした。山頂に小岩があり、その上に立つと、
南東に京見山を、南には瀬戸内の島々が眺められた。小豆島もよく見えている。そして展望台に上がれば、北に広がる山並みも眺められた。北西遠くには見えるのは後山か。他には黒尾山、明神山など一目で分かる山も多かった。低山にしてはずいぶんたくさんの山が見えるものだと感心した。西には天下台山を始め相生の山々も見えており、とにかく広々とした展望には満足だった。そして涼しい風があった。本当に五月の好天は良いものである。下山は主コースを下った。その主コースを下りきると、始めに歩いた山裾を巡る道に合流した。そこは往路で歩いた細道の起点よりも、今少し東に寄った位置だった。
(2002/6記)(2012/8改訂)(2020/8改訂) |