姫路市内にはJRの駅からスタート出来る山が幾つかあるが、その一つに苫編山がありJR英賀保駅を起点として登ることが出来る。ただ苫編山はごく小さな山なので、この山だけを登るのは少々物足りないとは言えそうだった。そこでJR英賀保駅を起点として苫編山だけでなく籾取山も登ろうと出かけたのは2019年新年の二日目のことだった。
英賀保駅を降り立ったのは10時12分のこと。尾根を長く歩こうと英賀保跨線人道橋を越えて駅の北側に出ると、まずは山崎山を目指して北西方向へと歩いた。住宅地を抜けて本徳寺の廟所に着くと、墓地の階段を登って墓地の最上部に出た。その最上部の西端より小径が始まっており、ごく僅かな距離で尾根道に合流した。そこは山崎山の南西にある山崎配水池の前だった。最近のことなのか配水池の前の木々が切られており、少し展望が良くなっていた。その展望を楽しんだ後おもむろに尾根歩きを開始した。尾根道は山崎山のピークを通っておらず、巻く形で山崎山を通り抜けた。上空は快晴とあって雑木林は明るく、気持ちの良い尾根歩きだった。緩やかな尾根の途中には太陽光パネルが設置されており、そこも展望が良かった。鞍部へと緩やかに下った後、苫編山へと緩やかに登り返した。ずっと優しげな雑木林が続いており、のどかな尾根歩きだった。苫編山が近づくと雑木林を抜け出すことになり、その先は岩場のテラスとなってそれが山頂そばまで続いていた。そこは展望台でもあり陽光の暖かさを甘受出来る所だった。一度山頂に立った後、岩場のテラスに戻って早めの昼休憩とした。陽射しの快さは冬ならではの味わいだった。昼休憩を済ませると改めて山頂に立った。反射板が建っていたときは単に三角点を確認する程度だったが、反射板が撤去された今では岩場のテラスよりも好展望地になっており、北の山並みも広く眺められた。その北の方向で間近に見えていたのがこれから向かう籾取山だった。苫編山の山頂でも展望を楽しむと、更に北へと尾根歩きを続けた。易しい道が続き140mピークを過ぎると西庄P6番鉄塔が現れ、その先の157mピークにも鉄塔があり、西庄P5番だった。その鉄塔の位置で尾根道は二手に分かれた。北に向かう道が籾取山に繋がる道だった。もう何度も歩いている道だが、ここを歩くのは2年ぶりだった。鞍部へと60mほど下り、そして100mほど登り返す。上空の雲は更に増えており、もう曇り空と呼べるまでになっていた。その雲の広がる空の下を登って反射板の前に出た。反射板と並んで建つのは西日本新姫路線4番鉄塔で、その先の少し高い所が籾取山の山頂だった。陽射しを楽しむことが出来なくなっていたため、少しの間展望を展望を楽しむと157mピークへと引き返した。157mピークに戻って来ると、そこからは南へと続く尾根道に入った。少し進むと急坂が始まって、そこからは四ツ池や姫路市街が眺められた。小さく姫路城も見えていた。展望が終わって樹林帯に入ると井ノ口の住宅地へと下って行くはずだったが、なぜか別の小径に入ってしまい姫商コースに合流してしまった。仕方なくそのまま下って姫路商業高校の校内に入ると、校門を抜けて四ツ池の町坪池のそばに出た。後は四ツ池を巡る小径を南へと歩いて苫編地区へと向かい、更に新興住宅地を抜けて英賀保駅を目指した。冬の空らしく一時は薄黒い雲が広がっていた空も、英賀保駅に戻り着く頃には再び青空が広がろうとしていた。
(2019/2記) |