TAJIHM の 兵庫の山めぐり <北但馬
 
城山 (芦屋城山) 175.7m 新温泉町
 しろやま    あしやしろやま
1/2.5万地図 : 浜坂
 
【2010年4月】 2010-35(TAJI&HM)
 
   諸寄漁港より  2010 / 4

 2010年4月初めに但馬へ一泊旅行を計画したとき、高い山を目指さず、低山のみのハイキングで過ごそうと考えた。そして一日に二山は登りたいとも考えた。3日の初日はその考えで、豊岡市の低山の白雲山と三開山を登った。どちらも山頂までハイキングコースがあって、ごく気楽に山頂に立つことが出来た。その夜は香美町内で宿泊して、翌4日に目指したのは新温泉町の海ぎわの山だった。有名なのは観音山だが、まだ訪れていない山に登ろうと、まず向かったのは諸寄港のそばに立つ城山だった。但馬には城山の名が付く山がたくさんあるので、芦屋城山とも呼ばれている。諸寄港と浜坂港を両側に見る小さな岬にはピークが二つあり、基部にあるのが城山だが、先端のピークの方が15mほど高い。その城山には中腹まで車道が通じており、そこから更に城山山頂へと電波塔の管理道路が続いている。そのため城山山頂にはごく気楽に立てるが、山頂に立つことよりも岬巡りというか、岬の先端の矢城ヶ鼻灯台まで遊歩道が通じており、所々に展望台もあって、「城山園地」として浜坂の憩いの場になっている。国道178号線を西へと走って諸寄港に近づくときは浜坂の町を抜けて小さな峠を越すが、その峠の位置から城山園地の車道が分かれていた。季節は桜の季節。その園地の車道が桜の花でピンクに染まっているのが見えた。そこで中腹の駐車場まで車を進めず、園地への車道の起点にあった広い空き地に車を止めることにした。そしてそこから車道歩きでハイキングをスタートした。これは正解だったようで、まだ朝の時間帯とあって車道を登ってくる車はほとんど無く、静かな車道歩きだった。そして車道沿いには予想以上に桜の木が多くあって、それが満開の見頃を迎えていた。登るうちに山頂の電波塔が桜の木の上に現れた。車道からは南への展望もあり、始めは南向かいの知々見山が見えるだけだったが、登るほどにその背後に三成山が大きな姿を現してきた。更に西には鳥取県境の山並みも望めるようになった。園地の駐車場までは15分ほどと、程よいウォーミングアップだった。駐車場には1台の車を見るだけで、その西端に立つと、諸寄港が一望だった。その風景をじっくり眺めるのは後回しにして、山頂への車道にった。車道は入口にポールが立って一般車は進入禁止になっていた。そのため遊歩道を歩く気持ちで登って行けた。車道とあって舗装されている上に緩やかに作られていたので、ごく気楽な散策だった。ゆっくり登っても駐車場の位置から13分で山頂だった。山頂には電波塔が二つあり、低い位置に建っていたのがNHKのもので、山頂の東寄りに建っていたのが民放のものだった。山頂には三角点は無く、ざっと眺めたところ、西の位置が若干高そうだった。但し遊歩道の終点は東の位置で、そこにはベンチも置かれていた。そしてそこは展望地になっており、浜坂港が一望だった。先ほどから東の方向から賑やかな声が聞こえると思っていたのだが、港では何やら催事が行われているようだった。その浜坂港を越した先に、裾野を海へと長く引いた姿の良い山が眺められた。観音山だった。山頂はその浜坂港の風景だけでなく、西側に移動すると、今度は諸寄港が眺められた。ただ木立に少し視界を妨げられてはいたが。その西寄りの方は整備された後は放置のままのようで、ベンチはあるものの少し荒れた感じになっていた。二つの港が眺められて満足したところで、山頂を離れた。駐車場に戻ると、そこには一台の車も無くひっそりとしていた。その静かな中で諸寄港の風景をじっくりと眺めた。城山を登り終えてさてどうするかだったが、せっかく兵庫の北西端の地に来ているので、矢城ヶ鼻まで続く遊歩道を歩くことにした。始めは城山の西側を巻くようにして歩いて行く。程なくベンチの置かれた展望台が現れた。ちょっと雰囲気の良い所で、ここからも諸寄港がすっきりと眺められた。そこを離れて遊歩道歩きを続けるが、朝の時間帯とあって途中から山かげを歩くことになり、少し冷え冷えとしていた。気温を見ると12℃ほどだった。城山と190mピークとの鞍部を過ぎると、今度は190mピークの東側を巻くようになった。ちょうど遊歩道は二つの山の中腹を逆Sの字に付いていることになる。一気に明るい陽射しに包まれるようになった。また浜坂港からざわめきが聞こえてきた。その東の遊歩道を歩いている途中で、小さな広場に出た。そこも展望台で、今度は浜坂の風景が一望だった。またここには有名な加藤文太郎の碑が立っていた。碑は加藤文太郎が生まれた浜坂の町を眺める位置にあり、加藤文太郎にとっては安らぎの場所と言えそうだった。そこを過ぎると矢城ヶ鼻が近くなり、細い尾根を登るようになって、登りきった位置から漸く灯台を見ることになった。足下のごく近い位置に見えており、その先はただ日本海だった。灯台へは急階段を下って行く。ごく小さな灯台だったが、ハイキングコースの終点でもあるので、ベンチとテーブルがあり、良い休憩場所になっていた。そこに座って海風を受けながら、矢城ヶ鼻の断崖風景、浜坂港に観音山、そして大海原とぜいたくな展望を楽しんだ。もうこれ以上進むのは無理ではと思っていたのだが、灯台を囲むクサリを越して、まだ小径が海ぎわへと続いているのが見えた。以前に立ち寄った猫崎半島でも灯台の位置から磯ぎわまで小径があったので、ここも同様に下りられるようだった。それを見てパートナーが下りたいと言い出した。こちらは灯台の位置で十分の思いだったが、つきあうことにした。磯ぎわまでは50メートルほど下ることになる。急斜面にはロープが付けられていたが、それを頼るほどでも無く下って行けた。但しトラバースになっている所は足を滑らせると何十メートルを一気に落下しそうで、注意が必要だった。そこを越せば後はスムーズに下れて、観音山を見る位置に下り着いた。そこは岩場が続くだけなので誰も居ないものと思っていたのだが、釣り人もおれば海藻を採る人もおり、ごく普通に来られているようだった。この日の波は穏やかで、水際に立つことが出来た。ここから見る空には雲一つ無かった。この矢城ヶ鼻の先端に立ったことで後は引き返すだけだったが、この岬では城山よりも190mピークの方が高いことが気になった。そこでついでに190mピークも登ることにした。その190mピークへの道は逆S字の中間点から始まっているのが見えていたので、そこまで引き返して行く。灯台に戻り、再び遊歩道歩きを始めて加藤文太郎碑の前を過ぎ、そして190mピークから南に延びる尾根の基部に着いた。そこには標識が立っており、崩の浜海水浴場へと下りられる位置でもあった。小径は始めはごく普通の里山道だったが、次第に細くなり、途中から尾根を離れて西側の山腹を巻くようになった。どうも山頂への道では無さそうだった。そこで小径は諦めて尾根を目指して急斜面を登った。もう灌木をかき分けてのヤブコギ登山だったが、イバラの無いのは助かった。尾根を歩き始めても灌木が多く、どうにも歩きにくかった。そこで少し東寄りを歩いて南東側からピークを目指した。ちょっと苦労したが、それでも取り付いてから20分ほどでピークに立てたので、これもごく小さな山と言えそうだった。山頂は雑木に囲まれて展望は無し。但し木立を通して海は見えている。そこで木立の空いた所はないかと探ると、少し西寄りの位置に切れ目があり、そこからは矢城ヶ鼻灯台がすっきりと眺められた。但し足下は断崖となってすっぱり切れ落ちており、かなり危険な所だった。このピークからの戻りでは南へと尾根を辿る気はせず、東の斜面を適当に下って行くことにした。どうみてもヤブコギだったが、ヤブはきつくは無さそうだった。その東の斜面ではこの低山では意外と思えるほどの巨木を見た。途中から傾斜がきつくなって木に掴まりながらの下りとなったが、ごく短い時間で遊歩道に下り着いた。加藤文太郎碑より少し北の位置だった。再び遊歩道歩きを始めて、加藤文太郎碑の前を通る。碑を見るのはこれで三度目だったので、どうも縁がありそうだった。逆Sの字の中間点、先ほど190mピークを登り始めた位置まで戻ってきたとき、急にパートナーが崩の浜に下りたいと言い出した。白砂の上に立ちたいとのこと。なるほど真っ白な砂浜が見えているが、そこまでは距離にして400m、高度にして100m下ることになる。ここまででけっこう疲れていたが、疲れついでにもう少し疲れることにした。崩の浜への道も遊歩道になっており、始めは階段道で続いていた。海辺が近づいて斜面が緩やかになると、周囲に竹が茂りだした。またなぜか遊歩道は水の流れになっていた。水の量は多くは無かったが、靴底を濡らしながら歩いて行く。周囲は竹林が続いていたが、その竹林を抜け出た所が崩の浜海水浴場だった。その砂浜に入る前に大きなぬかるみがあって、そこは注意が必要だった。多くの人が苦労しているようで、板きれが置かれたりして何とか渡れるようにされていた。その崩の浜はごく小さな浜で、白い砂と青い海の風景はプライベートビーチに立っているような心持ちにさせられた。パートナーは裸足になって歩いている。こちらは砂浜をただ眺めるだけだったが、その砂浜に立ったとき、白砂の美しさよりも打ち上げられた漂流ゴミの方が気になった。ゴミは白砂の奥まで届いており、大量と言ってよいほどで、その多くが韓国のものだった。潮流の関係で流れて来ると思われるが、大型ゴミもあって、この清掃は少人数のボランティアだけでは厳しそうで、行政で手が必要に思われた。そのゴミさえ無ければ小ぢんまりとしたビーチは好感が持てるもので、海水浴で訪れるのも悪くないと思えた。その崩の浜散策を最後として、城山ハイキングを漸く終えることにした。遊歩道に戻って駐車場まで帰ってくると、朝とは違って駐車場はほぼ満車状態だった。家族連れが多いようで、諸寄港を見下ろす位置でバーベキューをしたりと、この好日を楽しんでいた。それを横目に車道を戻って行く。再び桜並木の鑑賞だった。やはり車でさっと通過するよりも桜を愛でて下るのが断然良かった。峠の駐車地点に戻ってきたのは13時半が近くなる時間だった。標高200mにも満たない小山の城山だったが、見所が多くあり、特に長い休憩を取っていなかったにもかかわらず、4時間以上を過ごしてしまった。予定では午後にもう一山登ることにしていたのだが、何だか城山だけで十分な思いとなってしまっていた。また日の高いうちに帰りたい気持ちも出てきて、そのまますんなり帰路につくことにした。素晴らしい頂上展望、遊歩道ののどかさ、灯台からは断崖と日本海の眺め、更に加藤文太郎碑と崩の浜があり、おまけにヤブコギ登山までしており、何ともバラエティに楽しんでしまった。低山と言えども十分に楽しめることを改めて知らされた芦屋城山だった。
(2010/4記)(2020/9改定)
<登山日> 2010年4月4日 9:03スタート/9:17駐車場/9:30〜47城山山頂/9:56〜10:01駐車場まで戻ってくる/10:18加藤文太郎碑/10:33〜44矢城ヶ鼻灯台/10:54〜11:05矢城ヶ鼻の磯ぎわに下りる/11:12矢城ヶ鼻灯台/11:28加藤文太郎碑/11:33尾根に取り付く/11:53〜12:04[190m]ピーク/12:18加藤文太郎碑/12:22崩の浜遊歩道分岐点/12:33〜40崩の浜海水浴場/12:51分岐点/13:09駐車場/13:21エンド。
(天気) 快晴。少し空の青さは少なかった。気温は木陰では12℃と低かったが、陽当たりの良い所では17℃ほど有り、快適だった。矢城ヶ鼻では少し冷たさのある海風を受けた。
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城山園地の車道を起点から歩いて行くことにした 前方に城山山頂の電波塔が見えている 車道沿いの桜の木はどれも満開だった
ときおり白い花のサクラを見た 桜の花の間から南向かいの知々見山を見る 中腹の駐車場に着く 車は1台とひっそりとしていた
駐車場の奥からは山頂に続く車道が始まってい
たが、進入禁止になっていた
城山山頂へと静かな車道を登って行く
    
車道の終点にはNHKの浜坂テレビ中継放送所
が建っていた
山頂へは最後に階段を登った 山頂には民放の浜坂放送局が建っていた 浜坂放送局の奥が歩道の終点で、ベンチがあった
ベンチの前に立つと東の風景、浜坂港と観音山が一望だった 観音山を大きく見る 後ろに重なって見えるのは大谷山だった
北向かいの190mピークを大きく見る 山頂は西の方が少し高かった 西端からは小枝を通して諸寄港が眺められた 

 西端の位置からは
 南の展望が良かっ
 た 新温泉町の山
 並みが一望だった

   山頂を後にして駐
   車場へ戻って行く

 駐車場に着くと車は
 無くひっそりとして
 いた パートナーが
 ベンチに座って諸寄
 港を眺めていた
諸寄港の一角を大きく見る 一休みした後は矢城ヶ鼻灯台を目指すことにした 遊歩道の途中で展望台に出会った
展望台から近くの磯を見る 遊歩道は岬の東側を通るようになった 程なくまた展望台が現れた
その展望台には「加藤文太郎碑」が建っていた 岬の先端が近づいた 灯台が漸く見えた 急階段を下って行く

 矢城ヶ鼻灯台を
 間近に眺めた

   灯台に着いて矢
   城ヶ鼻の断崖を
   見上げた
北はひたすら日本海が広がる 東を見ると観音山が対峙していた 灯台から更に磯ぎわを目指した
磯が見えてくると、その一つに釣り人がいた 今度は灯台を下から見上げることになった 磯ぎわでパートナーが水とたわむれる
パートナーが灯台を目指して登ってくる 遊歩道の中間点に戻って、そこより190mピークへ 始めは尾根の小径をすんなりと登って行けたが
次第に尾根を離れて西の斜面を進むことになっ
急斜面を登って尾根に出ると、けっこうヤブだ
った
ヤブコギで山頂に着く 雑木の山頂に展望は無
かった
山頂の一角から灯台が見えたが、足下は垂直の
断崖だった かなり危険な所だった
下山は東へと最短距離で遊歩道を目指す やは
りヤブコギだった
下る途中で、この低山にしては不似合いな大木
を見ることがあった

 滑り落ちるようにして
 遊歩道に下り着いた

     下り着いた所は加藤文
     太郎碑より北の地点だ
     ったため、この日三度
     目の碑との対面だった
     北に190mピークを
     見る

最後の寄り道として崩の浜海水浴場を目指した 始めは歩き易かったが、途中に竹ヤブがあった 遊歩道が水の流れになっている所もあった

 白砂が美しい崩の浜海
 水浴場はこぢんまりと
 して、プライベートビ
 ーチの雰囲気だった

    但し漂流ゴミはいた
    だけなかった

浜辺から遊歩道の方向を見上げる 駐車場に戻ってくると、昼とあって満車状態だ
った
また桜並木を愛でながら峠の駐車地点へと戻っ