国道250号線を走って相生湾に入ると、前方右手にこんもりとした小ぶりな山が見えて来る。それが遠見山で山と言うよりも丘と言ったほうが相応しいような愛らしい姿で、相生湾の東部工業団地の岸壁からだと、汀からすんなりとその姿を眺めることが出来る。この遠見山を初めて訪れたのは1999年5月の末で、ペーロン祭りの日だった。山頂から相生湾が眺められればと、昼食がてらに訪れたものである。南麓となる相生市野瀬の相生中学校そばに駐車して歩き始めた。大谷町への峠越えの舗装路を登って行くのだが、この日の天気はもう初夏と言ってよく、気温は上がって陽射しもきつかった。峠部分に貯水槽が有り、その脇より遊歩道の始まっているのが見えた。丸太に擬したコンクリート製の階段道が山頂まで続いていた。遊歩道の脇は雑木と雑草が生い茂り、複雑な樹相を示していた。山野草図鑑が作れそうなぐらい多くの植物を見かけた。程なく山頂に着く。山頂は平らになっており、丈の低い草が覆うだけで広々としていたが、周囲を雑木に遮られて展望は無かった。地図から見て山頂中央に三角点があると見ていたが、見当たらず。色々と周辺も捜すがヤブがきつくて探し辛く、結局、見つけるのをあきらめた。ただ山頂部の東側に何かの遺構と見られる高さ4メートル程の門柱状のものを見たり、また山頂を少し西に行くと大岩があって、この岩に登ると木の間越しに北西の山々が望めた。周辺の樹木が育っていなかったら、相生の町並みも望めるのにと思えた。休憩は、山頂は強い陽射しにひたすら暑いため、涼しげな風が通っていた遊歩道終点辺りでとる。ペーロン祭りの日とあって、パレードの音楽が聞こえていた。下山は登りと同じコースをゆっくりと植物を観察しながら下る。東向かいの天下台山が、梢越しに見えていた。
(2004/12記)(2013/1改訂)(2019/1写真改訂) |