飯盛山と名の付く山は、その名の通りすっきりとした富士山型の山が多いが、この龍野市揖西町にある飯盛山も小さく形良くまとまった姿をしている。この飯盛山に1999年12月末の、澄んだ晴天の日に訪れた。揖西町長尾にある岳神社の北参道入口そばから登り始めた。神社への石段を登ると幅広の参道となり、この北参道は峠越えで南の神社まで続いている様だった。尾根上に出ると、そこからは西の小ピークへと向かった。斜面を適当に登って行くが、雑木林は下草が少なく樹間も空いていたので登るのは易しかった。ただ落ち葉に覆われた地肌が砂質で、やや滑り易かったか。まずは150mほどの小ピークに着いた。周囲は枯れ松の多い雑木林で、展望は今一つだった。そこからは飯盛山に向かって歩くが、灌木の繁るやや荒れた雰囲気となった。そこに細々とながら小径が続いていた。少し下って登り返す所では、やや灌木が煩わしかった。飯盛山の斜面に取り付いてからは急坂となり、木に掴まりながらの登りとなった。そして頂上近くで少しヤブっぽくなるも無難に山頂に着いた。飯盛山の山頂は平らになっており、三角点周りはネザサのみで、休憩するにはもってこいの所だった。但し周囲はイバラの繁る草ヤブとなっていた。展望を遮るものは僅かな雑木のみだったので、展望は悪くなかった。北東にはすっきりと的場山が見えており、また南から東にかけて播州沿岸部の山々が一望出来た。この日はそこより更に西へと歩いて光明山を目指す考えだったが、居心地良さそうな山頂の雰囲気に誘われて、そこで打ち切ってのんびり休憩することにした。風にはやや冷たさがあるものの、暖かい陽射しに当たっていると本当に心が和んできた。2時間近く寝転がっていただろうか。昼を回って雲に陽が遮られ出すと、やはり肌寒くなり漸く下山とした。下山は北に向かって目印が見えたため、その方向を目指すことにした。倒木の多い荒れた灌木地の急斜面を下っていると、目印は途中で分からなくなった。そのまま下ると、中腹辺りで山腹を巡る道に出会った。麓に下りて行けるだろうと、道なりに東に歩いて行くと、山を半周して150mピークとの鞍部に戻って来た。これでは往路のルートを遠回りしたのと同じ結果だった。後は往路と同じコースで駐車地点へと戻って行った。この日は兵庫北部は雪だというのに、播州地方は快い晴天で過ごせ、瀬戸内気候の有り難さを実感させられた。
(2003/8記)(2021/6写真改訂) |