TAJIHM の 兵庫の山めぐり <北播磨 
 
小野アルプス
岩山 ・ 紅山 ・ 惣山(小野富士) ・ アンテナ山 ・ 総山
163.6m  182.8m  198.9m        171.6m     168.3m
1/2.5万地図 : 三木 小野市・加古川市
 
【2002年1月】 No.1 2002-08(TAJI&HM)
 
    志方城山より  2008 / 8

 小野アルプスには興味があるものの、近距離の山でしかもごく低山とあっていつでも行けると思っているうちに、疎遠になっていた。漸く向かったのは2002年に入った1月の曇り空の日だった。駐車予定地は小野市福甸(ふくてん)町にある鴨池(男池)そばの駐車場とした。加古川バイパスを加古川西ICで降り、北へと走る。権現湖までは順調に走ったのだが、そこから適当に走るうちにどんどん東に向かってしまい、行き過ぎてしまった。地図で確認して改めて鴨池を目指したが、今度は小野町駅周辺で下水道工事にぶつかり、何度も迂回させられた。漸く鴨池の駐車場に着いたときは、40分以上は余計にかかっていたかと思われた。まずは駐車地点から県道を西へと歩いて行く。福甸峠を越えて権現ダムに向かう県道だった。始めは住宅地を歩いていたが、女池の端を過ぎると田畑ばかりとなって福甸峠への登り坂が始まった。県道は車の通行量は少なかったが、やはり車道を歩くのは煩わしくて落ち着けなかった。福甸峠に着くと、左手の山裾に「小野アルプス縦走路西コース」 の標識を見た。安心して登山道を登り始める。やはり低山なので高木は少なく、シダや常緑樹系の灌木が多かった。小ピークを過ぎて下りとなったが、そこからは山陽自動車道の権現湖PAが間近に見えていた。登り返したたピークが岩山だった。そこに三角点があると思っていたのだが、どうも見当たらなかった。そこより登山道は下り坂となったので、そばのヤブに突っ込んでみた。するとヤブを突っ切った所で新たに山道に出合い、そのそばに三角点を見た。この道はどこから続いているのだろうと探ってみると、何と登って来た道が山頂部を半周して三角点までちゃんと続いていたことが分かった。その山頂部を半周する間が好展望地になっていた。山名の通り岩肌が露出しており、また視界を遮るものも無いので、山陽自動車道を足下に南側が広々と眺められた。南西方向には権現湖があり、その背後の姿の良い山は志方城山のようだった。その他、飯盛山など加古川市北部の低山が一望だった。この先の小野アルプス中核部も見えている。ここよりまた下りとなり、鞍部からやや急傾斜を登り返した後、平坦な尾根が続いて紅山山頂に至る。山頂でまず目を引いたのが南に向かって急角度で下る岩尾根だった。標高差は50 mほどであろうか。灌木一本見られず、圧倒的な迫力で眼下に広がっていた。ここが小野アルプスのハイライトであろう。それに展望も素晴らしかった。東は惣山が間近に見えており、南の展望も岩山より優れているかもしれなかった。ただここから見る惣山は台形の姿をしており、別名の小野富士とは違う姿で眺められた。小休止ですぐに下り始める。一見、手を使わないと下りられそうもない急傾斜だったが、岩肌は靴底への引っかかりが良く、滑る感じは全く無かった。おかげで立ったままでもそう危なげ無く下ることが出来た。下り着いて少し平坦な道があり、また下り坂があって惣山との鞍部に出た。その位置からは惣山への登り道は無く、鞍部にある南北に通じる峠道を少し南に下った所より、登り道が始まった。この登りがコース中で一番標高差があり、また傾斜もきつくて結構いい汗をかくことが出来た。登り着いた惣山のピークは雑木によって展望は良くなかったが、南北に長い山稜頂を北に辿ると、岩肌の展望地があり、更にその先には展望台が作られていた。その展望台に立つと今まで見ることが出来なかった北側の展望が得られた。遠くは笠形山から千ヶ峰の尾根、北東には加古川を挟んで小野の町並みが広がっていた。その背後の山並みは丹波の山のようだあった。生憎のモヤがかった空のため、そちらは山名を確認するほどの視界は無かった。昼どきでもありこの展望台で休憩をと思ったが、それよりも手前の岩場が適しているように思えて、そちらに戻る。その昼食にかかろうとしたとき、この日の計画を変更することを思いついた。始めの予定では東に縦走を続けて、この先の総山より下山する予定だったが、紅山の岩尾根を今度は登り坂として味わってみたくなった。そこで総山まで歩いた後、引き返してここで遅い昼食を採ることにした。総山へは間にアンテナ山と呼ばれる小ピークがあって少し時間がかかると思っていたが、 さほど高低差の無い歩き易い道だったので、20分とかからずに総山に着けた。三等三角点のある山頂は、雑木に囲まれて落ち着きのある佇まいだったが、展望も無いのですぐに引き返した。12時半ばを過ぎて、漸く惣山の岩場で昼食とした。西に向かって座ると、紅山の岩尾根をすっきり眺めることが出来、なかなかの絶景だと思った。ただ肌寒いのは難点だったが。その昼食の間、近くで迷い犬がしきりに鳴き声を上げていた。どこで鳴いているのかと思っていると、麓へ向かい出したのか次第に声が小さくなり、やがて聞こえなくなった。昼食後はいよいよ紅山に向かう。岩尾根の基部に着いて見上げると、やはりなかなかの迫力があった。ただ見下ろしていたときほどの急傾斜の感じはしなかった。足がかりが良いので、軽快に登って行けた。その登り易さのままに、休まず一気に山頂に着くことが出来た。登ってみると、意外と楽だったと言うのが印象か。空を見ると今にも降り出しそうな雲行きだった。すぐに下山とする。こ の紅山からも北に向かって登山道が付いていたので、それを辿って行く。下るうちに惣山と紅山の鞍部を通る峠道と合流した。そして麓に着いてみたが、鴨池へはまだ小さな丘を越さなければならなかった。丘越えの道が有るはずと、丘の裾を歩くうちに、結局は丘を迂回して県道に出た。その県道を歩きたくなく、方向を定めて適当に近くの農道を歩いて行った。最後に小さな坂を登ると、そこはどんびしゃりで駐車地点だった。
(2002/4記)(2009/11改訂)(2021/3写真改訂)
<登山日> 2002年1月26日 10:03スタート/10:21福甸峠/10:41〜11:01岩山/11:23紅山/11:48〜12:05惣山/12:22総山/12:42〜13:28惣山/13:48紅山/14:05山麓到達/14:30エンド。
(天気) 空はどんよりとした雲に覆われていた。まだ降る気配は無かったが、いずれは降ってきそうだった。湿っぽい風が弱いながら絶えず吹いており、気温以上に肌寒さを感じた。視界はモヤがややきつめで、遠方はぼんやりフラットに見えていた。午後に入って空の色が黒さを増してきた。下山後、加古川バイパスに近づくまでに雨となった。
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岩山の展望地から南に広がる風景を眺める
   
上の写真の紅山をよく見ると惣山と重なっていた 上の写真の権現湖と飯盛山を大きく見る 上の写真の志方城山を大きく見る
紅山山頂から惣山を見る 惣山の展望地から紅山を見る 惣山の展望地より東に総山を見る
展望台より南西方向を見る 展望台より北の山並みを眺める