飯盛山と名付けられた山は、どの山もこんもりと盛り上がって名の示す通りの山容だが、この加古川市の北に位置する飯盛山もその山頂部を見る限りは当てはまっているように思える。この飯盛山はJR沿線から良く見える山で、姫路市近郊の手頃な山として、また昼食がてらの軽いハイキングとして1996年12月下旬に訪れた。
この日は快晴で風もあったのに、朝の空はモヤの強いもので遠方はモヤで判然としていなかった。車は平荘湖の北岸、少年自然の家の近くに駐車とした。登山口を示すものは見えなかったが、山に向かって細道が見えたので、それを辿って行くことにした。程なく送電塔が現れて、そこを過ぎた所で登山道に合流した。その辺りから岩肌の登りとなった。適度な傾斜で靴底も岩に良くかかり、快適に登って行けた。足下には平荘湖、そして加古川平野が広がって来た。相ノ山を過ぎて、さらに二つの小ピークを越した所が山頂だった。山頂までの稜線は灌木が繁って視界を妨げていたが、道は適度な登り易さだった。山頂も北側こそ雑木が繁っていたが、まずまずの展望があった。東は加古川が陽を浴びて光っており、西は高御位山が優美な姿を見せている。ただ昼食は山頂では採らず、少し戻って平荘湖を見下ろせる地点で採ることにした。食後に寝ころんでいると、風は頭上を通り過ぎるだけで陽射しが本当に暖かかった。暫しのんびりと読書をして過ごした。その間に風がモヤを吹き払ってしまったようで視界が良くなっており、周囲の山並みが鮮やかに見えるようになっていた。南に目を移すと瀬戸内海もくっきりと見えていた。下山は同じコースを辿って戻った。
(2002/10記)(2007/7改訂)(2021/7写真改訂) |