TAJIHM の 兵庫の山めぐり <中播磨
 
峰相    みねあいさん 244m 姫路市
 
トンガリ  (風見峰) 258m
 
 
1/2.5万地図 : 龍野
 
【2009年11月】 No.3 09-103(TAJI&HM)
 
    姫路市太市より  2009 / 11

 姫路市内の気軽なハイキングコースとして、トンガリ山と峰相山を結ぶ尾根コースは展望も楽しめて悪くないコースである。そのコースを峰相山までは歩いていたが、その先まではまだ歩いていなかった。そこで次に登るときは東の尾根までも歩いてみようと考えていた。ただ近い山は意外と足が向かないもので、2004年に登った後は暫く足が遠のいていた。その峰相山へ2009年11月の文化の日に向かうことにした。この日は播州北部の紅葉を楽しもうと考えていたのだが、寒気団が南下して、兵庫の北は雪も降る荒れた天気が予想された。それに反して瀬戸内側は快晴の予想だった。そこで近場の山を楽しもうと、自宅から車で15分とごく近所と言える峰相山を登ろうと考えたものである。峰相山の東尾根を歩くのなら登山口のはっきりしている西尾根側から巡っていくのが分かり易いのだが、それでは前回と似たコース設定になるので、逆回りで歩いてみようと考えた。但し東尾根への道はよく知らなかった。それでも行けば何とかなるだろうと、「龍野」の地図だけを持って出かけた。石倉集落を抜けて奥へ向かうと、峰相大池辺りで大規模な土木工事が行われていた。橋脚が作られており、トンガリ山の南に続く尾根を越える道路が作られているようだった。よく分からないが、国道29号線のバイバスかも知れなかった。その近くに峰相山登山の記帳所があり、そのそばが駐車スペースとなっていたので、そこに車を止めることにした。この日は最後にトンガリ山から下りてくる予定だったので、その駐車地点で良いのではとの考えだった。車道は更に奥へと続いており、その車道歩きでスタートする。左手の山裾は竹林になっており、車道には車の進入は禁止の立て札があった。春のタケノコシーズンを想定しての禁止かと思われる。トンガリ山の登山口を横目に見て、車道を更に奥へと歩いた。その先に峰相上池と新池の二つの溜め池が現れると、その一帯はきれいに公園風に整備されて、「石倉峯相の里」とされていた。峰相上池の南側には広い駐車場も作られていた。峰相大池のそばに止めなくとも、そこに止めるほうが良かったかも知れないと思った。峰相上池からは東側の散策路を歩いて新池へ。そこには萱葺きの家も作られていた。公園は更に北へと続いていたが、新池のそばから東の尾根に取り着くことにした。その一角がシイタケ栽培地になっており立ち入り禁止になっていたので、栽培地の北側へ回り込むことにした。そこには小橋があり、それを渡って山裾に近づいた。山裾はすっかりフェンスが張られていたが、ゲートがあってそれを通った。その先に小径は無かったが、ばらけた雑木林になっており下生えも少なかったので、適当に登って行くことにした。やや急傾斜になっており、木に掴まりながら登っていると、途中に露岩の展望地が現れた。そこからは遠く瀬戸内までが見えており、暫しの休憩とした。そのそばに山中には珍しく柿の木があり、小粒の実をいっぱい付けているのも目を惹いた。露岩地を過ぎると今度はシダが茂り出した。それが登るほどに密生となり、ヤブコギになってしまった。どうもコースどりを誤ったようだが、無理やり突っ切ることにした。シダは丈としては高く無かったので、膝で押しのけるようにして登ると、程なく尾根に出た。そこにははっきりと尾根道が付いていた。もうヤブコギをする必要は無くなったと、ひと安心だった。そこからは北へと峰相山を目指した。シダに囲まれた中を緩やかに登ると、すぐに雑木林に入った。この日は寒い日だったが、樹林の中は陽が射さないため冷え冷えとしており、気温は10℃と冬並みの冷たさだった。程なく登山道の分岐点に着いた。標識が立っており、そこを北西に向かえば峰相山だった。東の方向への小径には案内は付いておらず、地図を取り出して眺めると、打越へ通じる道かと思われた。その案内標識で今来た道を逆に歩けば、展望台に出ることが分かった。そこで引き返して立ち寄ることにした。またシダの茂る所を通り、そこを過ぎると緩く上り坂になり小さなピークに着いた。ピークは狭いながらも開けており、東と南に展望があった。そこが展望台のようで、東側は露岩地があって、そちらが一番展望が良かった。足下には白鳥台の住宅地が広がっており、その後ろが白鳥山だった。東の山並みでは書写山が大きかった。そして何とも場違いな建物が視野の中央に建っていた。太陽公園に出来た白鳥城で、姿は悪いものでは無かったが、どうもコンクリート製の無粋さがあった。ちょうど1982年に淡路島の東浦町に巨大観音が建ったときの違和感を思い出した。位置を変えれば南は瀬戸内海が眺められ、小豆島がくっきりと見えていた。この日の視界は良く澄んでいるようで、遠くは四国の山並みもうっすら見えていた。ただこの展望ピークに立つ頃には上空に雲が増えており、陽が隠されることが多くなっていた。陽射しの現れているときはぽかぽかと良い感じの暖かさだったが、陽射しが消えるとすっと肌寒くなった。ここでは30分ほども休んでしまい、11時を回ってしまった。尾根歩きを再開する。登山道の分岐点へと戻り、北西の峰相山を目指した。一帯の樹林は濃く、陽射しははとんど見えなかった。木陰は相変わらず10℃ほどの気温で、冷たい空気の中を歩いて行った。ただ尾根道は自然歩道の名が付いており、道の雰囲気としては悪く無かった。分岐点から10分も歩けば峰相山の山頂だった。山頂は登山コースから10メートルほど離れた位置にあり、一帯は赤土の地表だった。そこは三度目となるが、相変わらず展望は無く、ただ薄暗いだけだった。単に山頂を踏んだだけの思いで、登山コースに戻って西へと歩いた。程なく寺院跡のそばに出たが、そこもちらりと眺めただけで済ませた。登山道なりに進むと、大黒岩とトンガリ山がある西尾根への道が分かれた。そこに標識はあるのだが、小さな標識なので気付かずにそのまま西へと下ってしまいそうだった。西尾根に入ると、そちらも緩やかなまま尾根道が続いていた。そして尾根のハイライトの一つ、大黒岩のそばに出た。大黒岩はまん丸い大きな岩で、一見登り難そうに見えるが、南側から取り着いて松の木を使うと、少しの努力で岩の上に立てそうだった。こちらはひょいと上がったが、パートナーは松の木の所で躊躇してしまった。別に上に上がらなくとも一段低い所でも展望は良いので、パートナーには無理をさせなかった。そこは本当に展望が良く、南の一角を除くと、遮るものの無い展望が広がっていた。南は瀬戸内海、東は新龍アルプス、そして北は姫路北部を限る山並みだった。その北の山並みはここに来て漸くすっきりと眺められるようになったのだが、その空はすっかり黒く、どうやら雪雲が広がっているようだった。水剣山より北の山々はその雪雲に隠されていた。それに比べると瀬戸内の空は光があふれており、好対照だった。この素晴らしい展望を眺めながらの昼どきだったが、ずっと陽射しを浴びるとはいかなかった。北から雪雲の断片が大きなかたまりとなって流れてくるときがあり、陽射しが遮られると、さっと寒くなった。昼休憩を済ませて西尾根歩きを続ける。次に小さなピークがあり、そこに四等三角点(点名・下伊勢)が置かれていた。その南のピークがトンガリ山の山頂で、2分も歩けば到着だった。そこも展望地で、南の風景が一段と広く眺められた。そして北を見ると、そちらは少し視界が良くなっており、後山から駒の尾山がうっすら見えていた。白くなっているようなので、どうやら雪をまとっているようだった。このトンガリ山からは南の尾根の中に神岩がよく見えていた。まるで緑の海に浮かぶ小島のようだった。その神岩へと急坂を下った。今までの緩やかな尾根とは一変する急坂で、張られたロープを掴みながらの下りだった。ただ小さな山なので、山頂から7分も下れば神岩だった。そこには以前に見なかった説明板が二つ置かれていた。姫路青年会議所が製作したもので、それには岩の名は亀岩となっていた。地元では神岩と呼んでいるようだったが、この説明の亀岩の方がその姿に似合っており、個人的には好ましいのではと思えた。その亀岩と言うか神岩からは尾根のままに南へと登山道は続いていた。少し下るとまた尾根は緩やかになり、ときに上り坂もあった。その尾根道はずっと続いていそうだったが、途中で左手の石倉峯相の里への道が分かれた。その麓へ向かう道に入ってどんどん下ると、登山口に下り着いた。もう駐車地点はすぐそばだったが、明るい空を見て、もう一度峰相上池や新池の辺りを散策したくなった。そこで駐車地点とは反対の北へと歩いて行った。
 この日は石倉峯相の里をベースに峰相山、トンガリ山と歩いたが、秋の好日に軽いハイキングを楽しむエリアとしては、けっこう良いレベルではと思えたこの日だった。
(2009/12記)(2011/4改訂)(2021/10改訂2)
<登山日> 2009年11月3日 9:40峯相大池のそばよりスタート/10:05新池の近くよりゲートを通って山すそに取り着く/10:17〜26岩場の展望地で休憩/10:32〜35東尾根に出る/10:40打越コース分岐点に着くも引き返す/10:46〜11:12東尾根の展望台ピークで休憩/11:18打越コース分岐点に戻ってくる/11:29〜32峰相山/11:50〜12:10大黒岩で昼休憩/12:27三角点ピーク/12:29〜40トンガリ山/12:47〜58神岩/13:13西尾根を離れる/13:21〜23登山口/13:31〜36石倉峯相の里/13:49エンド。
(天気) 朝の空は快晴。澄んだ青空だった。冷たい朝で気温は10℃と冷えていた。尾根に出る頃には少し雲が増えていた。北の空を見るとすっかり曇っており、その北から大きな雲が何度も流れてきた。そのたびに暫くは陽射しは隠されることになったが、陽射しが現れると一気に暖かくなった。峰相山の一帯は樹林の中を歩くため陽射しは無く、そこは冷え込んでいた。大黒岩など幾つかある展望地では少し冷たい風を受ける。視界は北の空こそ悪かったが、他の方向は十分に澄んでいた。下山を終える頃には気温は14℃まで上がっていた。
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「石倉峯相の里」へ行く前に、トンガリ山を南
西側から眺める
峰相大池のそばに駐車して、北へと続く車道を
歩き出す
西の尾根に神岩とトンガリ山が見えていた
   
峰相上池の南の土手に立って池の佇まいを眺める 新池の北側には農家風の家が建っていた
小橋を渡って東尾根に近づいた 東尾根の斜面を適当に登って行く 途中の露岩地は展望が良く、峯相の里を見る
露岩地で柿の木が実をいっぱい付けていた 露岩地を越すとシダが増えてきた 登る途中で峰相山の尾根が眺められた
尾根が近づくとシダが増えて、ヤブコギとなった 東尾根にははっきりと尾根道が付いていた 尾根を北へと歩くと、雑木林に入った
 東尾根に展望地が
 あることを知って
 引き返した 展望
 地は190mピー
 クのことだった

  展望ピークからは
  南は小豆島までが
  望めた
展望地からは東の風景が広く眺められた 足下に白鳥台の住宅地が広がる 白鳥城が場違いな感じで建っていた

 上の写真の白鳥
 山を大きく見る

 白鳥山の彼方に見
 える高御位山を大
 きく見る
東尾根を打越コースとの分岐点まで戻る メイ
ンコースは北西に向かう
尾根道は自然歩道の名があり歩き易かった 途
中で太陽公園への道が分かれた 
峰相山の山頂は展望は無し 標高は239.7
mと書かれていた
メインコースに戻って尾根歩きを続ける 廃寺跡はちらりと見るだけにとどめた 西尾根に入る 緩やかなままに歩き易い道が続く
大黒岩へは西尾根コースから少し離れる 大黒岩を明るい空の下に眺める 松の木を使って大黒岩の上に立った
大黒岩の上から西に向かってこの大展望が眺められた
上の写真の右に続く山並みを見る 方向は北から東となる 左の写真の伊勢山を大きく見る
上の写真の笠形山方向を大きく見る 方向は北東方向となる 左の写真の笠形山を大きく見る

 大黒岩の上から西
 に見える大蔵山を
 大きく見る

 大黒岩を離れて西
 尾根歩きを続ける
トンガリ山の手前の小ピークで三角点(点名・
下伊勢)を見る
三角点からトンガリ山のピークまでは僅かな距
離だった
トンガリ山のピークは好展望地だった パート
ナーが瀬戸内の方向を眺めている

 トンガリ山の山頂よ
 り南西から北西にか
 けてを眺める 大黒
 岩に負けない展望だ
 った
 上の写真の左手と
 なる南東から南西
 にかけてを眺める

 瀬戸の島々がくっ
 きり見えており、
 四国の山並みもう
 っすらと眺められ
 た

 西の的場山を大き
 く見る

      小豆島の方向を大き
      く見る

 トンガリ山のピーク
 から北西の空を見る
 と、少し視界が良く
 なっていた

   後山は雲に隠れてい
   たが駒ノ尾山は雪で
   白くなっていた
山頂から先は急坂だった ロープを掴んで下り
尾根の先が眺められた 手前に神岩が見えてい
神岩が緑の海に浮かぶ島のように見えた
途中でシダが登山道を隠し気味になった 前方に神岩が見えてきた 神岩の上に立つ
神岩からトンガリ山を見上げる 西には新龍アルプスがくっきりと眺められた

 神岩より東の方向
 を見ると、東尾根
 と書写山の間に白
 鳥城が覗いていた

 ここから見る白鳥
 城の姿は悪くなか
 った
神岩から先は再び緩やかな尾根となった 尾根の途中でトンガリ山を振り返る 尾根道から石倉峰相の里への登山道が分かれた

 峰相の里へと下り
 始めたとき、歩い
 てきた尾根が眺め
 られた

   峯相の里への道は
   薄暗いまま続いた
トンガリ山の登山口に下り着いた 再び石倉峯相の里の散策を楽しんだ 美しい佇まいを見せる新池を眺める