播州の海岸にも幾つか海水浴場があり、その中で最も西に位置するのは、赤穂海浜公園の南の海岸、唐船海岸の赤穂唐船サンビーチかと思われる。夏の海水浴だけでなく、春は潮干狩りでも賑わう所である。夏は山だけでなく海も楽しみたくなるが、2011年はその赤穂唐船サンビーチに行くことにした。その唐船海岸の西端が小さな丘になっており、それが山名の付く山として兵庫県で一番低いとされる唐船山である。海水浴の前に、その唐船山の散策をすることにした。車は赤穂海浜公園の駐車場に500円を払って止める。地元の人か駐車場の外に止めている車も見かけたが、まねはしないことにした。駐車場は海岸のそばなので、唐船山はごく近くだった。海岸へと歩くが海岸には出ず、海岸そばの道を西へと歩いて、唐船山に向かった。その道が堤防にぶつかるそばが登山口だった。ごく普通の山道が始まっていたが、標高19メートルとあって、2分も歩けばもう丘の上に近づいた。草深くなった所もあったが道ははっきりしており、草をかき分けるように歩くと、草は減ってあっさりと平坦な山頂に出た。ちゃんと山名標識も立っており、山頂らしさはあった。そして南に向かって瀬戸内海が一望だった。この日はモヤの強い視界で、家島諸島はごくうっすらと、小豆島はかろうじて輪郭が分かるだけだった。それでも海を間近に眺められて、晴れ晴れとする思いだった。それにしても、散歩とも呼べない気楽さで来られたが、その気楽さも道が付いている所だけで、海岸を良く見ようと道から少し離れた所に行こうとしたところ、たちまちヤブコギだった。ちょっと苦労して海岸の見える位置に立つと、足下で20人ほどの人が海水浴を楽しんでいた。こちらもその中に加わることにした。山頂にいたのは10分ほど。視界の澄んだ日に改めて立ちたいと思いながら、山頂を後にした。
赤穂唐船サンビーチは六日前の台風の影響で、少し水が濁っていた。また気温が30℃に満たないとあって水はやや冷たいと感じたが、瀬戸の波はごく穏やかだった。また海岸は遠浅になっており、多少沖まで泳いでも立つことが出来た。おかげで何とものんびりと泳ぐことが出来た。その泳ぎに飽きると海岸に張ったテントの中で昼寝を楽しんだりと、この7月最後の日の昼を、ごくのんびりと過ごした。
(2011/8記)(2017/11改訂)(2018/6写真改訂) |