地形図で峰相山を見ても載っていないが、峰相山の尾根を歩いていると、山頂の少し東側で太陽公園の方向を示す標識があって、小径が分かれていた。そのコースを一度歩いてみたいと太陽公園の周辺を探ったのだが、どうも登山口がつかめなかった。そこで尾根から下って、どの辺りに下り着くのか知りたいと思った。向かったのは2013年のお盆休暇のことで、猛暑が続く中でのことだった。
勝手の分かる「峯相の里」へと入ると、公園内の奥にある休憩舎の先まで車を進めて、その辺りにあった駐車場に車を止めた。そこより北へとまだ車道は延びており、その車道を歩き始めた。開山堂の広場を過ぎて観音堂への参道に入り、その観音堂を過ぎると山道となった。すぐに害獣避けゲートがあり、そこを抜けて山道を進んで行った。そのまますんなりと尾根に出られるものと思っていると、途中で一気に草藪になってしまった。その雑草は外来種と思われたが、2メートルほどの丈があり、びっしりと生えていた。仕方なくヤブコギで突破することにした。ヤブの距離は長くはなかったものの、草の種などをけっこう吸い込んでしまった。そこを抜けるとまた歩き易い山道となり、鶏足寺の跡を通った先で尾根道に合流した。尾根道は山陽自然歩道でもあるので、もう気楽なものだった。但し尾根の気温は30℃近いとあって、けっこう汗をかきながら歩いた。雑木に囲まれた尾根道を歩いて行くと、山頂の方向を示す標識が現れて、そちらに向かうと、ごく僅かな距離で山頂に出た。そこも周囲を雑木林に囲まれており、展望は無かった。そのため山頂には数分立っていただけで、すぐに尾根道に戻った。東へと歩いて行くと、右手に観音堂に戻れる別のコースが分かれたが、それを横目に尾根を進むと、程なく左手にまた小径が分かれた。それが太陽公園に通じる道だったが、分岐点にあった太陽公園方向を示す標識は無くなっていた。標識が無くとも小径を下って行くことにした。相変わらず雑木林の中を歩くことになったが、少し下ると枯れ沢に沿うようになった。そして行き着いた所はお寺のそばだった。そこからが太陽公園の敷地のようで、お寺は廃寺となった鶏足寺の名を付けた真新しい寺だった。その寺の前が壮観だった。おびただしい数の像が立っており、それはどうやら羅漢さんのようだったが、像は等身大とあってなかなかの迫力だった。他にもピラミッドに似たものが近くに見えていた。遠くには天安門に似たものも見えていた。太陽公園についてはほとんど知識はなかったが、世界の有名建造物を模したものを展示しているようだった。それに加えて羅漢像を展示すべく鶏足寺を建てたのではと思われた。どうもすっかり観光地に来てしまったようだったが、ここは有料施設でもあるので、大っぴらに歩くのは遠慮することにした。それでも少し下った位置から羅漢像と鶏足寺を見上げた。そこは36℃の猛暑とあって、そもそも歩き回る気にはなれなかった。それでも炎天下をちらほら家族連れや若いグループが歩いているのを見た。尾根からの道がどこに通じているのかが分かったので、後は尾根へ引き返すことにした。戻ると言っても小さな山なので、10分ほど歩くだけだった。そして下山は山頂の少し東から始まる観音堂への小径を下った。その小径にはヤブは無く、ごくスムーズに下って行けた。麓が近づくと植林地に入り、そこを抜けると観音堂の参道に下り着いた。どうやら峰相山の山頂に立つには、こちらのコースが正解のようだった。後は駐車地点へと真っ直ぐな車道を戻って行った。
(2013/8記)(2021/2改訂) |