太子龍野バイパスが貫く城山は、一等三角点を持つ山だが、登山道が整備されていないためか、さほど注目されているとは言い難い。山頂までのはっきりした道は無いものの、中腹まで続く車道を利用すれば、さほど無理なく山頂に立つことが出来る。その山頂はイバラなどの雑草が茂って雑然としており、本来は良かったはずの展望も、今はさほど良いとは言えなくなっている。姫路市近郊でもあり、手入れさえすれば気軽なハイキングを楽しめると思えるのだが。
その城山を初めて登ったのは2002年1月。城山には太子町太田から中腹まで舗装路が付いているが、その舗装路に入って200m辺りの路肩に駐車とした。辺りは竹林になっていた。
スタートして200mほど歩いただろうか、左手に山道が見えた。その方向は真っ直ぐ山頂に向かっているように思えたので、それを歩いて行くことにした。落ち葉の散り敷いた道で、幅は2メートルはあるかと思えた。その感じのままゆったりと登って行けると思っていたところ、すぐに送電塔に出合い、そこで道は終わってしまった。どうも送電塔の巡視路だったようである。後は道の無い尾根を伝って行くしかなかった。いわゆる灌木帯だったが、疎らなのでそれほど煩わしくも無かった。尾根は終始緩やかなに続くため、尾根筋がはっきりしない所もあったが、そこは適当に登って行く。市街地に近くまた一等三角点もある山なのに、全くハイキングの対象にはなっていない荒れ方だった。山頂が近づくと雑草やイバラも増えて、かえって歩き難くなった。そして山頂に着く。そこも立派な三角点があるわりには荒れた雰囲気だった。雑木の中に雑草が混じっており、イバラも結構多かった。何とか展望が得られるのは南側だけで、それも一部雑木に妨げられながらの眺めだった。間近に見えていたのは京見山。北から京見山を見ることは少ないので、その姿を珍しげに眺めた。その南には瀬戸内海も見えており、この日は視界が良かったので家島がくっきり見えていた。雑木の間からだったが小豆島もはっきりしていた。また東南方向には苫編山から籾取山の尾根があり、その他姫路南部の山々が眺められた。この風景を見るのに荒れ地の中をうろうろしたのだが、イバラが多くて苦労させられた。地図を見ると東隣に同じ高さのピークがあるので、そちらも訪ねてみた。そこも北側は雑木に閉ざされており、見えるのは南東方向のみだった。足下に青山ゴルフ場が見え、バイパスが走っている。
後は三角点ピークの眺めとさほど変わらなかった。その位置から下山とする。南側が急斜面ながら雑草や灌木が刈り取られていたので、そこを下って行くことにした。木に掴まりながら下るも、意外と易しく舗装路に下り着いたので、正解だったと見る。後は舗装路を歩いて、駐車地点に戻って行った。
(2002/3記)(2006/9改訂)(2018/11写真改訂) |