御津町の北を限る尾根を御津山脈と称して、そこにハイキングコースが整備されたことを知って、まず訪れたのは、屋津坂峠からは西となる雄鷹台山から仏ヶ台山への道で、2003年3月のことだった。その続きとして東へも当然歩くことは考えていたのだが、どうもこの地域に関心が向くのは冬から春の季節となってしまうようで、続きは1年後になってしまった。向かったのは2004年の3月に入っての最初の日曜日のことで、この日は午前を同じ町内の綾部山で過ごした。そして午後は嫦峨山から歩き始めて、東へと尾根を辿るつもりでいた。誤算だったのは天気で、快晴だったのは朝の早いうちだけで、次第に雪雲が広がり出した。綾部山では小雪が降ったり、青空が出たりの繰り返しだったが、綾部山を離れるときはまた雪雲が広がって、小雪をちらつかせていた。天気の回復を願って、予定通り屋津坂へと向かった。そして車を屋津坂に入ってすぐの空き地に止めると、屋津坂を入口近くから歩き始めた。相変わらず小雪がちらついており、空を見ると黒雲が広がって、どうも天気の回復は望めそうもなかった。屋津坂峠に着くと、嫦峨山への小径の入口には登山口の標識があり、歩き易い道で始まっていた。峠から山頂までの標高差は160mほどしかなかった。ただ登り出した頃より雪の降りが強くなってきた。そこで少し登っただけだったが、雪を防いでくれる木立を見つけて、そこで雪が小止みになるのを待つことにした。もう縦走する気持ちは消えており、嫦峨山の山頂に立つだけで、この日は終わることにした。パートナーは登るのも諦めて、車で待つと言う始末である。小止みになった頃合いで、一人で山頂を目指して行った。相変わらず歩き易い小径が続いており、休憩地点から14分で山頂到着となった。その頃には雪は止み、少し青空も覗き出していた。その山頂は様変わりしており、木々は疎らで、すっきりとした山頂に変わっていた。また展望もその木々の梢越しだったが少しはあり、綾部山が望まれた。今少し景色をよく見ようと手頃な木に登ってみたのだが、それを見ていたかのように再び小雪が降り出して、視界は閉ざされてしまった。もう一度青空を待とうと、山頂に今暫くとどまることにしたが、青空とまではいかず、少し空が明るくなったのは、それから20分後だった。もう天気は諦めて、それをしおどきに下山とした。それにしてもこの日の天気は気まぐれで、車に戻ってきたときは、真っ青な空が広がっていた。
(2004/5記)(2011/4改訂)(2022/2写真改訂) |