加古川市の北辺にあって、東西に尾根を長く延ばす姿はけっこう目立つ姿で、正しくは中道子山と呼ぶべきかもしれないが、別称の「志方の城山」を縮めて志方城山が一番相応しい名前のように思われる。この城山をほんの思いつきで登った。この日は夕方から高砂市の親戚宅にて通夜があり、その準備に朝から出かけていたのだが、昼前に一段落したので軽く足慣らしをしたいと考えた。そこで近くの山をと道路地図を見てこの山を登ることにしたものである。適当に山に向かって車を走らせると標識があり、すんなりと南西麓となる志方町岡の登山口に着いた。登山口とは言うものの車道は更に1km程、中腹近くまで延びている。そこまで車で進むと、登山としては僅かしか歩かないことになり、それでは物足りないと思われて、すんなりと登山口の駐車場に車を止めて歩き出す。車道は終点まで舗装されており、勾配も緩やかだった。やはり車道歩きは味気なさがあった。車道終点から山頂までは登山道となるが、これが立派に整備された木の階段で、整備しすぎというかすっかり遊歩道で、あまり登山の感じが持てなかった。もっと自然な山道を登りたいと思ってしまった。登りの訓練とばかりに一気に登る。着いた山頂はゆったりとした広場で、トイレもあればベンチもあって城跡公園になっていた。また展望もなかなか良かった。西の展望が少し悪いのみでまずは360度の好眺望だった。北の山並みは低山が延々と広がっており、その中腹から下はモヤに隠れて山頂部のみがはっきり現れている様は、くっきりとした視界とはまた違った味わいがあった。また南は飯盛山から高御位山までを北側から眺めるという、これまで眺めていなかった角度で眺められた。ただ暫く佇んでいるとじめっとした冷たさがじわじわ体に伝わってきて、底冷えがしてきた。体が冷え切る前にと40分ほど佇んだ後、下山とした。
(2006/4記)(2008/8改訂)(2017/3写真改訂) |