感状山を2009年に登って以降、訪れていなかった。この方面の山となるとどうしても三濃山に向かってしまうことがその理由だったが、三濃山以外でもその方面で昼どきを過ごそうと考えたとき、感状山は当然候補に挙がってくる山である。10月も後半に入ると肌寒い日が多くなって来るが、好天の日の日中は屋外で過ごすには絶好の季節と言えそうだった。この日はその好天の空だった。四日前にも同じ考えで相生市街の宮山を登っていたが、そのときに感状山で昼を過ごすのも悪くないと思ったものである。そこでこの日も山上で昼を過ごそうと感状山に向かった次第だった。駐車地点は瓜生の里の駐車場とした。そこから瓜生羅漢へと向かうと、その途中で右手に感状山への道が分かれた。その登山口から感状山までは550mの距離だった。始めは階段状の遊歩道が暫く続いた。その階段にはおおよそ80m毎に城跡までの距離を示す標識が立っていた。階段が終わると、尾根コースが右手から合流した。その位置は大手門に通じる小径の分岐点でもあった。大手門には向かわず北へと向かった。そこからは遊歩道の感じは無くなり山道の風情となって岩の上を歩くこともあった。そして城跡の入口となる物見岩に着いた。そこは露岩地になって開けていたが、展望が良いとは言えなかった。物見岩の標高は256mとなっており、山頂までもうひと登りだった。鉄パイプで作られた階段があり、ごく緩やかな道となって山頂の南側に回り込んだ。その当たりは展望があって、瀬戸の海も眺められた。城跡を歩くとあって南U曲輪、北U曲輪と過ぎると一段と開けた所が現れた。その場所はT曲輪となっており、山頂と言える所だった。好展望地でもあって東から南へと広く眺められた。その山頂で昼休憩の予定だったが正午までにまだ30分ほどあったので、尾根続きとなる西山まで歩くことにした。感状山から先は純然たる山道だった。標識こそ無いものの道ははっきりとしており、傾斜も緩やかでスムーズに歩いて行けた。但し展望は無かった。感状山から20分ほど歩くと、あっさり西山の三等三角点(点名・西山)に着いた。そこは単なる通過点の雰囲気だったので、山頂に立った感じは無く単に三角点を見に来ただけだった。すぐに引き返した。そしてすっきりと開けたT曲輪に戻って来ると、改めて昼休憩とした。最初に立ったときから40分ほどしか経っていなかったのに、気温は5℃も下がってひんやりとした空気感になっていた。北から冷気が流れてきたようだった。それでも陽射しはあったので暖かさはあった。感状山での昼休憩を終えると、すんなりと往路を引き返して羅漢の里に戻った。登山口まで下りて来ると、そのまま駐車場には向かわず瓜生羅漢を訪れることにした。ひっそりとした散策だった。その後も売店で買い物をしたりと羅漢の里を楽しんでから駐車場へと戻った。
(2022/11記) |