TAJIHM の 兵庫の山めぐり <中播磨編
 
書写山 (刀出坂コース) 371m 姫路市
 しょしゃざん
1/2.5万地図 : 姫路北部
 
【2010年9月】 No.8 2010-80(TAJI&HM)
 
    峰相山の大黒岩より  2009 / 11

 姫路市内で、ごく短時間の気軽なハイキングを楽しむとなると、書写山は最適と言える。歩き易い登山道を登って、山上に広がる古刹、円教寺の境内巡りが楽しい。その山上への道は東坂、西坂、六角坂、刀出坂、鯰尾坂、置塩坂と色々あるが、暑い季節は木陰の多い刀出坂が良さそうに思える。10年9月第二週の週末は土日ともに忙しく、日曜日の午前10時までなら空いていた。そこで少しは体を動かそうと、その10時まででミニハイキングを楽しむことにした。当然、刀出坂コースである。駐車したのは刀出集落にある刀出天神の駐車場。外に出ると、まだ7時前の早朝と言える時間なのに、なま暖かい空気に包まれた。気温は23℃と高くは無かったが、湿気を十分に含んだ空気だった。その神社のそばには案内標識が立っていたので、その標識のままに前の車道を東へと歩いて行く。山頂まで1.8kmほどだった。すぐに車止めが現れて、その先へ車は進めなくなっていた。車道は緩い坂のまま続いており、右手が広い範囲で草ぼうぼうの荒れ地になっていた。たしか以前は古びた市営住宅があったはずなので、それが取り壊されて、その後は荒れ放題になっているようだった。その住宅跡地の縁を回るように、途中から南へと向かうと、西からの別の道と合流した。合流したすぐ先が登山口だった。後は登山道をただ辿って行くだけだった。7時を回ったばかりとあって、まだ朝日は届いておらず、薄暗い中での登りだった。坂を登り出したことと風も無いことから、たちまち大汗となったが、坂の傾斜は緩いと言えるものだったので、登ることについては楽な登りだった。道は長年の風雨でえぐれた所も見られたが、おおむね歩き易く、いにしえから歩かれてきたことを窺わせる落ち着きが感じられた。ただ中腹を過ぎてもずっと薄暗く、もう山上が近いのではと思えだした頃になって、漸く周囲の木立に光が当たり出した。まず着いたのは護法堂拝殿のそば。護法堂拝殿は修復工事中のようで、工事用のシートで覆われていた。そこより小径を右手へと歩くが、もう辺りは境内の雰囲気となった。金剛堂のそばを通って、鐘楼に出る。そして大講堂の広場へ近づいて行くと、辺りの様子が平常と違っていた。あちらこちらに機材が積まれており、テントも置かれていた。人影はほとんど無かったが、この日に何かイベントが山上であるようだった。大講堂の前に出ると、常行堂は舞台になるのか、照明の準備もされていた。どうもここでライブコンサートでも行われるのかも知れなかったが、朝早い時間とあって、ここも機材だけで、人影はちらほらだった。その大講堂のベンチで休憩とする。山上に出てからは、弱いながらも風を受けるようになっており、朝の爽やかさが感じられた。その風を受けながら、そして境内の平常と違う佇まいを眺めながら朝食とした。その食後、せっかく山頂に近い位置に来ていたので、山頂を踏むことにした。但しパートナーはこのままベンチで憩っていたいと言うので、こちら一人で山頂に向かった。北へと急坂が車一台分の幅で続いており、その車道を登ると、給水設備の前に出た。そこより南へと小径を歩くと、僅かに高い位置があり、そこが山頂だった。一段低い位置に白山権現が建っていた。後は白山権現のそばまで来ていた小径を下って行くと、大講堂のそばに戻り着いた。もう辺りは、さっきとは様変わりしており、大勢の人が動き回っていた。摩尼殿まで今少し山上散策をしてもよいかと考えていたが、辺りのざわつきを見て下山することにした。下山は刀出坂を引き返す。漸く朝の光が、林の中に届くようになっていた。下山は45分ほど。休み時間を入れても2時間のミニハイキングだったが、十分に汗をかいたおかげで、すっかり体はほぐれており、すっきりとした気分で帰路についた。
 後日、この日に山上で何が行われたか調べて見ると、野外イベントの「にじのわまつり」が開催されて、約三千人の人出で賑わったとのことだった。
(2010/9記)(2021/4改訂)
<登山日> 2010年9月12日 6:52刀出天神スタート/6:58登山口/7:38金剛堂/7:43〜53大講堂前で休憩/8:00〜05山頂/8:58エンド。
(天気) 晴れ。気温は23℃ながらも、空気はこもったような生暖かさがあった。登山中は風も無く、けっこう蒸し暑さを感じたが、山上に出ると涼しい風を受けて、過ごし易くなった。視界はうっすらとしていた。下山を終えたときは24℃。蒸し暑い麓だった。
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刀出天神を起点として歩き始める 歩き出すと、園教寺まで1.7kmの標識を見た 市営住宅跡地の縁を歩いて行く
5、6分も歩けば登山口だった 登山道(刀出坂)は緩やかな道で続いた 荒れた所も見られたが、無難に歩けた
小さな沢に沿って歩くようになった 沢を渡ることもあった 中腹を過ぎて、朝日が周囲の木立に当たりだした
工事中の建物が見えた 寺域に入ったようだった 石垣に沿って歩くが、もう遊歩道歩きだった 金剛堂のカエデが朝の光に輝いていた

 南に展望が現れて
 京見山が眺められ
 た

   榊原家墓所のそば
   を通る
大講堂のそばに来ると食堂に朝日が当たっていた 行常堂には舞台セットが置かれていた 一休みを終えて、山頂方向に向かう車道を登った
車道の終点辺りで、僅かだが北東に展望を得た 山頂が近づいて小径に入った 書写山の最高点は山頂と呼べる雰囲気は無かった
山頂を別の角度から見る 白山権現が見えている 一段低い位置に白山権現が建っていた 白山権現から境内への小径に入った
境内に戻って来ると、大勢の人が集まっていた 鐘楼の前には露店が出来ていた 喧噪を離れて展望公園に出る

 東屋のそばから南
 西に御津山脈を見
 る

      木立の隙間から南
      に籾取山が眺めら
      れた
下山も刀出坂を歩く この辺りは近畿自然歩道の雰囲気が漂っていた 西の斜面を下るとあって、9時前でもまだ薄暗かった 登山口に戻ってくると、西の空に白鳥城がくっきりと眺められた