TAJIHM の 兵庫の山めぐり <中播磨
 
点名・奥善定 417.4m たつの市
 おくぜんじょう
1/2.5万地図 : 二木・三日月
 
【2012年11月】 2012-103(TAJI&HM)
 
   札楽山より  2012 / 12

 たつの市の善定地区には札楽(ふだらく)集落があるが、その名と同じ札楽山があると知って登りたくなった。但しどのピークを指しているのかよく分からなかった。調べても札楽山国有林や札楽山林道の名は出てきたものの、やはり位置は特定出来なかった。いずれはネット上で紹介されると見ていたのだが、それも現れる気配がなかった。そこで自分で調べようと出かけたのは、2012年11月のことだった。札楽集落に入り、地元の人の何人かに聞いてみたところ、一帯の山を札楽山と呼ぶようであったが、はっきりとは知っていなかった。但し集落の外れにある松尾神社と関係していることは分かった。以前は山上に松尾神社があったとのこと。そこで松尾神社の背後にある387mピークが札楽山ではと想定して登ることにした。理由の一つとして、札楽集落に近づいたとき、その387mmピークが一番山らしい姿をしていたことだった。車は松尾神社の前に止めて、そこから歩き始めることにした。松尾神社の前を通る車道はそのまま林道となって、札楽山の尾根と平行して西に向かっている。その林道の名が札楽山林道で、そばの小川は札楽川だった。林道の入口にはゲートがあったが、ゲートは開いていた。そこを通って数十メートル行くと、右手に支林道が分かれた。そちらの方が387mピークに近づきそうなので、その支林道に入った。一部はすっかり荒れており、もう使われていないようだった。十数分歩くと林道は終点となり、その先は小径が付いていた。その小径を辿るも、途中で不確かになったので、後は適当に尾根を目指した。辺りは植林地が主体で、間伐で倒された木が邪魔になることはあったが、おおむね無難に登って行けた。その状態が尾根まで続くものと思っていると、突然のように林道に出会った。地図には載っていない林道だったにで、どこに向かうのか分からなかったが、上り坂の方向に歩くことにした。少し歩いて林道が平坦路になったとき、林道を離れて尾根を目指した。林道は尾根に近い位置に付いていたようで、少し斜面を登ると尾根上に出た。雑木に包まれた尾根は緩やかで下生えは少なく、けっこう歩き易かった。現在地がはっきりしなかったが、西へと歩いて行く。なだらかな尾根の形状から、387mピークの手前辺りと思われた。少し進むと小さなピークに着いたが、そこは少し北側が開けており、遠くに黒尾山が見えていた。そちらは雲が厚く、全くの曇り空だった。上空にはまだ青空が見えていたが、北の雲が広がろうとしていた。その小さなピークの先も緩やかな尾根が続いており、また送電線が西側の近くで尾根を越えているのが見えたので、次のピークが387mピークのようだった。札楽山と想定していた387mピークに着くと、そこはすっかり木立に囲まれており、地形が緩やかなこともあって、単なる通過点の雰囲気だった。その先で下りが続いたので、今のピークがやはり387mピークだったようである。鞍部が近づいたとき、近くで数人の声がした。訝しく思いながら進むと、開けた所が現れた。そこは送電塔の建つ位置で、工事が行われていた。作業者に聞くと、碍子の交換作業とのことだった。尾根なりに進むと、その尾根まで林道が来ていた。どうも地図には描かれていない林道が一帯を走っているようだった。その林道に送電塔工事の車が止めれていた。林道を少し歩いたが、尾根を離れだしたので、尾根を伝うことにした。尾根には小径があって、それを少し登ると小さなピークに着いた。そこには四等三角点(点名・奥善定)が設置されていた。周囲は樹林が囲んで、展望は無し。この日の尾根歩きはここまでとした。ただ地図を見ると近くに小さな池があるようなので、それを見たくなった。池の方向へと南西に延びる尾根を辿ったが、歩くうちに下生えが増えて歩き難くなってきた。間近に林道が平行して続いているのが見えたので、これは尾根を歩くのは意味が無いと思い、林道に下りた。その林道を少し進むと、左手に麓の方向へと別の林道が分かれた。その辺りに池がありそうに思えたので、尾根側に入って行けそうな小径がないかと探ると、少し西に歩いた位置で期待通りに小径が見えた。その小径に入ると、ごく僅かな距離で池の前に出た。思っていた以上に小さな池で、しかも浅そうだったので、あまり山中で出会った感じは無かった。一本の黄葉した木が池に映っているのが目を惹いた。この池を見たことでハイキングを終了することにした。林道に戻ると、近くから始まっている麓へと向かっていそうな林道に入った。荒れた林道だったが、途中で別の林道と合流すると、ごく普通の林道となった。更に下って麓に下りると、札楽山林道に合流した。どうも本当にこの一帯は地図に載っていない林道が色々とあるようだった。地図のどの辺りに下り着いたのかよく分からなかったが、後はひたすら札楽集落方向へと林道を歩いて行った。沢に沿って林道は続いており、その沢は落葉もあって、ちょっとした渓谷美を見せていた。それにしても林道歩きは長々と続いて、途中では少々退屈になってきた。結局、札楽山林道を40分歩いて松尾神社に戻ってきた。尾根の印象はあまり強くは無かったが、鄙な尾根歩きを楽しめたと思って、この日のハイキングを終了した。
 これで札楽山登山を済ませたと思ったのだが、後日たつの図書館に立ち寄って郷土資料を調べたところ、「善定村史」に札楽山の記述があった。どのピークが札楽山かははっきり書かれていなかったものの、尾根を勘違いしていたことだけは分かった。札楽山は松尾神社の背後の尾根では無く、東向かいの尾根にあるようだった。こうなると仕切直しで、改めて札楽山を目指さなければと心に決めた。
(2012/12記)(2021/4改訂)
<登山日> 2012年11月18日 10:30松尾神社スタート/10:44作業道終点/10:57林道に出会う/11:14尾根に出る/11:45[387m]ピーク/11:56送電塔の工事現場/12:12~25点名・奥善定/12:51~13:00池/13:16札落山林道に合流する/13:55エンド。
(天気) スタート時は雲が多いながらも晴れと呼べる空だったが、次第に雲が増えてきた。尾根に出ると、北から冷たさのある風を受けた。但し風は強くは無かった。尾根の気温は12℃ほど。展望は近くしか見えなかったが、視界は悪くなかった。北の雲が流れてきて、昼頃はすっかり曇り空になっていた。その空が下山の途中より良くなりだして、青空が広がってきた。
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札楽集落が近づくと、387mピークがすっき
りとした姿で望まれた
集落の外れにあった松尾神社に車を止めて、そ
こから歩き出した
札楽山林道の入口にはゲートがあったが、開い
ていた
札楽山林道を歩き始めると、すぐに支林道が右
手に現れた
支林道を歩けば早く尾根に着けると考えて、支
林道に入った
支林道は「兵庫県森と緑の公社」の管理道路の
ようで、一般車両は通行禁止となっていた
林道は長くは続かず終わったので、その先の小
径を歩いた
小径は植林の作業道のようで、植林地の中をか
細く続いていた
植林地が終わると小径も見えなくなったが、歩
き易い所を適当に登った
突然のように林道に出会った 上り坂になって
いたので、林道を辿ることにした
林道は平坦になった上に荒れてきたので、また
適当に斜面を登ることにした
植林地を登って行く
尾根が近いと思われたとき、また林道に出会った 林道は横切っただけで、斜面の登りを続けた 辺りの木と比べて一際大きな木と出会った

 尾根に出た 尾根
 の木立は疎らで、
 落ち着きがあった

     尾根を西へと歩い
     て行た 歩き易い
     尾根だった

 少し歩くと小さなピー
 クに着いた そこから
 は少し展望があった

   見えたのは北向かいの
   尾根で、田幸山に繫が
   る尾根だった
北東方向を望むと、394mピーク(点名・善定)が紅葉に包まれていた 高倉山の方向をすっきりと見る

 黒尾山の方向を
 大きく見る

 近くに送電線が走
 っているのが見え
 たことで、現在地
 がおおよそ掴めた

 387mピークに
 着いた なだらか
 な上に展望は無く
 単なる通過点の雰
 囲気だった

     その先は緩やかな
     下り坂だった
送電塔の建つ位置に出た 大勢の作業員が働い
ていた
碍子の交換作業を行っているとのことだった 
作業現場を通り過ぎてから振り返る
次に目指すのは418mピークだった 緩やか
なアップダウンが続く
緩やかに下ると林道が現れた 尾根と同じ高さ
まで来ていた
その林道から分かれた支林道が尾根を越えてい
た 林道を離れて尾根に取り付いた
尾根を登って418mピークに近づいた

 418mピークに着
 く すっかり樹林に
 囲まれていた

 四等三角点(点名・
 奥善定)を見る
次に地図に載っている小さな池に向かった 南
西方向の尾根を歩いたが、少々灌木ヤブだった
そばに林道が見えたので、その林道で池に近づ
くことにした
林道に出るとき、見事に紅葉した木を見た ウ
リハダカエデのようだった
林道を西へと歩いて行く 真新しい林道だった 南に下って行く林道が分かれたが、ここは真っ
直ぐに進んだ
林道は緩やかに西へと続いていたが、池への小
径を見ないまま西へと進み過ぎてしまった
林道を戻っていると、林道が分岐する近くで山
中に向かう小径を見た
小径を少し歩くだけで溜め池のそばに出た 地
図の通りにごく小さな池だった
湖面に樹林が映っているのを眺める
池のそばでは落ちたばかりの葉が積もっていた 林道に戻ると、南に下る林道に入った 大雨によるものか表土が流されて荒れていた
別の林道が合流すると、ごく普通の林道となった 麓まで下って、札楽山林道に合流した 札楽山林道を少し進むと、クサリが張られていた
林道と平行する札楽川が渓谷美を見せていた 札楽山林道はほぼ平坦路で続いた 道そばで地藏さんが祀られていた
楓池に通じる道が分かれているのを見る 札楽川が右手から左手に換わっていた 林道入口のゲートが見えてきた