TAJIHM の 兵庫の山めぐり <西播磨 
 
大撫山    おおなでさん 435.5m 佐用町
 
1/2.5万地図 : 佐用
 
【2001年12月】 No.1 2001-64(TAJI&HM)
 
    利神山の山頂より  2002 / 9

 大撫山は登山対象の山でなく、ひたすら佐用の朝霧を眺める山として知られていた。私もその朝霧を撮ろうと何度か訪れたことがある。山頂まで舗装路が整備されており、朝霧見物のビューポイントも設定されている。だが近年は朝霧よりも山頂に出来た西はりま天文台が有名になっており、人の訪れも多いようである。この車でごく気軽に山頂に立てる山に、麓から登る気になったのは、足のケガによるもの。2001年の12月半ばにふとした不注意で足に大やけどを負ってしまい、足に無理をかけられなくなってしまった。すぐに直ると思っていたが、連日の病院通いとなり、次の週は3連休なのに何とも動けない。だが3日目の24日になってやっと痛みが薄れ出した。そこで、無理なく登れる山は無いかと考えて、この大撫山を思い付いたものである。山頂まで車道が通じているため登山対象とは考えていなかったのだが、簡単に登れることで、足を痛めているときの登山としては最適と思えた。コースとしては大撫山の山頂まで通じる車道を起点から歩くことにした。山頂から見ると南東麓からとなる。山裾に駐車したかったのだが、適地が見当たらなかったため、車道の起点より200mほど進んだ辺りで路肩が広くなっていたため、そこに駐車とした。車道は中央に白線こそ引かれていなかったが、十分な幅のある舗装路で、歩くそばをときおり車が通過して行った。昨夜でも雪が降ったのか、車道にこそ雪は無かったが、路肩に多くの雪が残っていた。おそらく除雪されたものと思われた。緩い坂だったが、歩いているとやはり足の傷が痛んだ。この程度の山にして良かったと思った。周囲の木は雑木に混じってヒノキの植林も見られたが、鉛筆ヒノキと呼べそうな貧弱さだった。中腹を過ぎて山頂部に着く手前で展望台が現れた。表示板があって、そこは「佐用の朝霧」の展望台と紹介されていた。なるほどそこからは佐用の町並みとそれを取り巻く低い山並みを一望することが出来た。また遠くは黒尾山から水剣山の尾根も見えていた。次にその先の峠まで歩いて行くと、枝道が南の方向に分かれており、そこにも展望台があると記されていたので、立ち寄ることにした。地図を見ると406mピークの位置だった。その道を登り詰めるとお堂のような建物が建っていた。その前に出てみると、一帯はササが刈り払われており、先ほどの展望地に優る風景が広がっていた。そのなだらかな山並みを眺めていると、この一帯が吉備丘陵の延長上であることがよく分かった。ちょうど昼どきでもあったので、この風景を楽しみながらの昼休憩とした。風は無く暖かい陽射しが降り注いで、快い昼どきを過ごすことが出来た。後は頂上部の三角点を目指すのみ。峠を少し下った所より北に向かって舗装路が分かれていた。「西はりま天文台」への道である。そちらからも山頂へ辿れるだろうと、まずは西はりま天文台を訪れることにした。相変わらず路肩には雪が残っていた。200m程進んだろうか、天文台の関連施設と思われる管理棟や宿泊棟が現れた。そしてその先の丘の上に瀟洒な三階建ての天文台が建っていた。辺り一帯はまるで行楽地の雰囲気だった。天文台の建つ丘はすっかり雪に覆われており、10センチは積もっていそうで、家族連れがソリ遊びに興じていた。丘を登ってみることにした。20mも登らずに天文台に着くと、更にその背後が数m高くなっていたので、そちらに近づいてみた。するとそこに三角点が埋まっていた。この天文台が建つ丘が山頂だったのである。山頂は今少し先かと思っていたので、少々気の抜ける思いだった。まずは丘の上の展望を楽しむことにした。そこは最高の展望地と言える所で、西から那岐山、後山、植松山、黒尾山と、周辺の高峰が総て見渡せた。後山から駒の尾山への尾根はすっかり白くなっていた。生憎のモヤがかった視界ですっきりとは見えていなかったが、その展望の良さは本当に素晴らしかった。視界のクリアな日に再訪したいと思ったものだった。風も無く明るい陽射しを浴びていると、雪の中に立っているのが不思議なほどの暖かさだった。暫しのんびりとこの雰囲気を楽しんだ。帰路は同じルートを戻った。傷がやや痛む程度で無事ハイキングを終え、一安心だった。
(2002/10記)(2012/11改訂)(2021/4改訂2)(2024/7写真改訂)
<登山日> 2001年12月24日 11:24スタート/12: 24〜13:07展望地/13:28〜52山頂/14:40エンド。
(天気) 快晴だったがややモヤがかっていた。風は無く、陽射しが十分あったので、日陰を別にすればさほど寒さは感じなかった。前日にでも雪が降ったのか、中腹で5センチ、頂上で10センチ程度の積雪あり。薄モヤのため、視界はややうっすらとしていた。
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朝霧の展望地からは佐用町の町並みが見えていた 山頂に着くと、一帯はすっかり雪景色だった 駐車場の方向を見る
山頂に立って北西から北、北東にかけてを展望する
後山の尾根を大きく見る 見ているうちに後山に陽が当たった
植松山の方向を大きく見る 東の方向を見る

(←)
立つ位置を変える
と、袴ヶ仙の方向
が良く見えた

 (→)
  袴ヶ仙の辺りを大
  きく見る