大嶽山は大岳山とも書かれるが、東麓に神崎町の名所「桜華園」が広がっていると言えば分かり易いと思える。初めて訪れたのは2002年1月中旬のこと。その二日前より春のような陽気が続いており、この日はいっそうの暖かさで、気温は12,3℃ぐらいかと思えた。おかげでほとんど寒さは感じなかった。
神崎町東柏尾にある地区集落センター前に駐車させていただく。この大嶽山の裾野には桜の名所を目指す「桜華園」と、森林浴を楽しむ「かんざき薬神の森」があるが、桜華園の遊歩道を歩いて山頂を目指すことにした。地区集落センターのグランドは、桜華園の駐車場にもなっていた。道を挟んで笠森神社があり、その横から桜華園に通じる道が始まっていた。道は林道と言えるもので、桜華園を抜けて山頂まで通じている。始めに丈夫なゲートがあるが、害獣除けのためと思われた。そこを過ぎるともう桜華園の範囲だった。きれいに伐採された山肌には遊歩道が作られており、ベンチや東屋を見かけた。肝心の桜はまだ苗木を植えて間もないらしく、木として見られるのはちらほらとしか見かけなかった。まだ苗木と呼べそうな木も多く見かけた。別に桜華園見物に来た訳ではないので、林道を離れて頂上への最短距離の遊歩道を登って行った。遊歩道は総て階段状に作られているので、けっこう膝が疲れた。それに作ってからの手入れが悪いのか、イバラや雑草が目立っていた。ただ裸地のような山肌なので登るほどにどんどん展望が良くなった。生憎のモヤのために薄ぼんやりとしか見えなかったが、左手遠くには高畑山、そして笠形山からそれに連なる東の峰々が眼前に広がっていた。遊歩道を上り詰めた辺りで中腹ぐらいであろうか。そこでまた林道に合流した。後はそのまま林道を歩いて行った。道の両側はマッタケ山とかで、入山禁止の立て札が立っていた。道は緩やかでただのんびりと歩くのみ。程なく立派なゲートに出会った。電動シャッター式で、押しボタンで開閉出来た。こんな山中で珍しいと感心する。林道は稜線に出た所で終わっていたが、その少し手前で真新しい林道が分かれており、稜線に沿って北に延びているようだった。林道終点からは山道があり、僅かな距離で山頂に着いた。そこは「神崎テレビ中継所」となっており、通信設備が建てられていた。その脇に三等三角点(点名・大嶽)を見る。辺りは雑木林になっており、通信設備が有る割には展望は悪かった。木々の間から眺める感じだった。まずまず良いのは三角点の位置から南に少し下がった所で、そこはうまく雑木の切れ目となっており、南の七種山塊や寺前の集落が眺められた。但しモヤの強い視界のため、輪郭程度しか分からなかった。予定では山頂より稜線を北へ辿って、598mピーク(点名・大河)まで行く予定であったが、このモヤでは展望も楽しめないと、ここで終わることにした。昼食は桜華園で採るつもりで林道まで戻ると、稜線上に小径が付いているのが分かった。少し歩いて見ることにする。するとすぐに西に展望が開けた。休憩の適地でもあったので、そこで休憩とした。ぼんやりとした視界だったが、寺前の背後の山が眼前に広がっており、他にも雪彦山群や峰山の山々が眺められた。ただモヤの展望よりも、この日は春のような暖かさだったので、シートを広げて昼寝を楽しむことにした。さて休憩を終えると下山と考えていたが、どうも運動量が足りないように思えて、今少し稜線を歩いてみることにした。尾根は植林帯が主体だったが、腕ぐらいの太さの細い木ばかりだった。それは良いのだが、手入れのために切られた枝や間伐された木が道をけっこう塞いでいるのが煩わしかった。またイバラもあったので、易しく歩けるとは言えなかった。とにかく尾根なりに歩いて行ったのだが、一度尾根を外してしまい、北西に下りかけてしまうことがあった。すぐに気付いて軌道修正をしたが、尾根はますます間伐材が増えて、まともに歩けなくなった。そこで598mピークとの中間点にある小ピーク(425m)で切り上げることにした。その425mピークは高い木が無いとあって、この日一番の展望が広がっていた。北の入畑山から笠形山、そして市川町の山並みまで一望だった。下山は425mピークより真っ直ぐ東に下って林道に出ることにした。急斜面の植林帯をムリヤリ下って行くと、そう時間もかからず真新しい林道に下り着いた。後はその林道を南に辿って行くと、往路で歩いた林道に出会い、そして桜華園へと下って行った。桜華園では東屋で小休止をとった。
(2003/8記)(2012/10改訂)(2020/10改訂2) |