2003年7月13日の姫路の朝の空は雨雲が空を覆っていたが、結構すっきりした視界が広がっていた。この日の天気予報は午後には曇り空とのことだったので、予定通り京丹波の山を目指して自宅を出た。ところが播州中部からは小雨となり、生野町に入る頃には、はっきりとした雨になってしまった。晴れる気配を伺いながら北上するも、和田山町では本降りの雨になっており、天気の回復は望めないことが分かった。そこで予定を変更して運動だけでもとの気持ちで、近くに見えた金梨山を登ることに決めた。地図には南東麓側から実線路が描かれていたので、それを目指して舗装された農道に入って行った。すると山裾には雨にもかかわらず数人の人影を見た。よく見ると銃を持っていたのでハンターのようだった。季節外れなので特別許可を受けての害獣狩りと思えた。少し様子を伺っていると、農道に鹿が飛び出して来てすぐに山中に戻って行った。ただそれ以上のことは無く、暫くするとハンターも帰ってしまったので、漸く登山を始めることにした。車は適当な路肩に駐車とした。雨具を着込んでスタートする。舗装された農道が終わると、その先は荒れた小径となった。その小径も谷あいで判然としなくなった。現在地がよく分からなかったが、地図を念頭に左手の斜面に取り付くことにした。始めこそ草ヤブがあったが、すぐに雑木林に入った。木々の疎らとあってどんどん登って行った。獣道を辿ることもあったがそれも消えてしまった。登るほどに傾斜がきつくなり木に捕まりながら登らざるを得なくなった。ただこの日は梅雨時にしては気温が低めだったので、雨具を着ていてもさほど暑さを感じなかったのは助かった。とにかく樹間を辿って登り詰めると、小ピークに着いた。どうやら山頂から南へと延びる尾根のどこかに出たようだった。そこからは山頂に向かって尾根道を辿れることになった。スタート時には麓から山頂は見えていたのだが、ガスが下がってきたのか周囲はすっかりガスとなった。後はひたすら尾根道を辿るのみである。平坦とも言える緩やかな登りだった。途中に大岩がありそこからは東に向かって開けていたが、見えるのはガスのみであった。そこを過ぎると程なく急坂となった。どうやら山頂は近いようだった。はっきりとした山道だったので、しっかり踏ん張って登った。低山だけにそう時間はかからず山頂到着となった。意外なことに、そこに地図には無い三角点を見た。どうやら最近になって設置されたようだった。雨の止む気配は無かったため、運動が出来たことに満足して下山することにした。歩いてきた尾根道を忠実に辿ることにした。山頂から少し下ると岩場の上に出た。そこは往路では通っていなかった所だった。幾つかの岩が点在しており好展望が期待出来そうだったが、周囲はすっかりガスとあって次回の登山で期待するしかなかった。尾根道を辿って行くと、往路での合流点を過ぎて409mピークに着いた。ただその当たりから道は不確かになってしまった。そこで車道の方向へと斜面を適当に下ることにした。木に掴まりながらだったが、下草が少なかったので厳しさは無かった。最後は小笹のヤブに入ったが、そこを抜けると車道の終点位置は近かった。とにかく雨中登山を無事終えられたようだった。
(2003/8記)(2021/5改訂) |