国道29号線を姫路から北上するとき、安富町から宍粟市山崎町へと安志峠を越えて入って行くのだが、このとき長い下り坂で山崎市街へと近づいて行く。この下り坂を真っ直ぐ進んでいるときに正面に見えるなだらかな山が国見山である。際だった姿をしているわけで無く、また三角点を山頂に持たない山だが、揖保川東岸にすっきりと佇むその姿は存在感があり、いつもこの山を見ながら山崎町へと入って行く。またこの山を見て、この日の宍粟の空の澄み具合を推し量っている。この山崎町では目立つ山の一つである国見山を初めて登ったのは、1996年の5月上旬のこと。地図を見て山頂から東に延びる尾根がなだらかそうで、また少しだが林道が付いており、その続きからアプローチ出来そうに思えた。山崎町金谷地区のその尾根端に着いてみると、墓地が見えたので、墓地そばに駐車とした。始めは里山らしい山道が続いていた。但し展望は無し。四等三角点のある319mピーク(点名・金谷)も雑木林のまっただ中だった。その先は雑木が密になり、また草ヤブもあって歩度が鈍った。枯れ松の倒木も多く、また傾斜のきつい所もあった。その状態のまま山頂へ着いた。国見山山頂には三角点は無かったが、そこも雑木林で展望は効かなかった。ただ山頂近くにマイクロウェーブ反射板が設置されており、そこでようやく展望を得た。東は雪彦の山並みに明神山、遠くに暁晴山、夜鷹山も見えていた。北は梢越しだったが黒尾山や水剣山が望めた。また眼下には山崎の街並みが広がっていた。なお、その反射板の一帯には季節がらワラビを多く生えていた。まずは山崎市街の展望出来る山だとの感想を持って、往路と同じ道を辿って麓へと戻って行った。
(2002/9記)(2005/11改訂)(2019/9写真改訂) |