この原山に登るきっかけは、笠形山を南から間近に眺めたいとの気持ちからだった。1998年11月に訪れたのだが、この日の朝は登山日和と言える、ほぼ雲一つ無い快晴の空が広がっていた。西脇市明楽寺町にある六所神社の駐車場に駐車して歩き始めた。神社を出て集落内を抜けると、林道が原山方向に向かって続いていた。程なく新池と出会い、そして奥池に着いた。奥池の湖面には紅葉があでやかに映っていた。林道はその辺りまでで、その先より山道が始まった。植林地の中を歩いて行く。地図では破線路が山稜まで続いていたが、程なく傾斜がきつくなると、道はぼやけてしまった。尾根に出るべく、西に向かって急斜面を適当に登ることにした。尾根に近づくにつれ植林地は雑木林へと替わったが、少しシダなどもあってヤブっぽくなった。尾根に着いても道と言えるほどのものは無く、潅木の中を縫うように登って行った。ややヤブコギと言えるか。西の鎌倉山から続く主稜線に着いて、漸く山道が現れた。アップダウンの少ない尾根で、所によってはプロムナードと言えるほどの歩き易さだった。ただ展望はほとんど無し。
山頂が近づくと、傾斜は少しきつくなり道もやや荒れて来るも、尾根がはっきりしていたので問題無く登って行けた。山頂は雑木に囲まれて、展望は今一つだった。休憩に適したところ所はと山頂を少し北に行くと、平坦地があって落ち着いた雰囲気の雑木林が広がっていた。休むにはちょうど良い感じだった。また、山稜を北東へ少し行くと伐採地があり、そこからは素晴らしい展望が広がっていた。眼前に笠形山が期待通りに大きくそびえ、その北に飯森山から千ヶ峰へのスカイラインが続いていた。また遠く篠ヶ峰も見えていた。他にも周囲の低山が一望だった。紅葉している山肌も多くあり、暫しこの展望を楽しんだ。その頃には一時増えていた上空の雲も徐々に少なくなり、
再び晴れ間が広がっていた。この日は少し肌寒い日で、陽射しが当たっていると暖かかったが、陰ると冷たい風もあって途端に肌寒くなった。下山は山頂を南に少し戻り、登ってきた方向とは別に南東方向に尾根が分岐している地点にて、その南東尾根を下って行った。細々と山道が付いており、それを辿って行った。そして鞍部に達すると、西方向にある奥池に向かって植林地の急斜面を一気に下った。豪雨によるものか、その植林地では一部が崩壊して、多くの杉がなぎ倒されていた。奥池に出ると、暫し湖面の紅葉を眺めて過ごした。
(2001/12記)(2014/3改訂)(2020/9改訂2) |