2007年に入って1月20日は快晴となった。この日はスノーハイクを楽しもうと一宮町の上千町集落に向かっていたのだが、草木集落の入口に着いたとき草置城の幟を見た。そこには「雲海に建つ草置城」と書かれていた。そのときはそのまま通り過ぎたのだが、スノーハイクを終えて帰路についたとき、再びその幟を見て立ち寄ってみることにした。もう車道からその草置城は見えており、数十メートルと離れていなかった。その前に立つと、城と言ってもミニチュアと呼べそうな小さなもので、中を覗くと避難小屋のような作りになっていた。その草置城はちらっと見ただけで、その城の前に立ってみると、そこに見えたのは一山の姿だった。夕焼け空にくっきりと眺められた。その城の前に立って気が付いたのは、その先にも遊歩道が丸太の階段道でずっと続いていることだった。このとき前回にこの先のピークで三角点を確認したことを思い出した。もう薄暗くなっていたが、僅かな距離でもあったので、ピークの展望を期待して登ることにした。足元はズック靴だったが、遊歩道なので問題無く登って行くと、僅かな時間でピークに着いた。そこには展望台らしくベンチがあって望遠鏡も置かれていた。そして見えていたのは、夕暮れとなって稜線をくっきりと見せる一宮町の山並みだった。赤みを帯びた空が次第に薄墨色に変わる中、シルエットとなった山並みをいっとき眺めていた。
(2007/1記)(2012/6改訂)(2022/1改訂2) |