TAJIHM の 兵庫の山めぐり <北播磨
 
森内    もりうちやま 651.2m 多可町
豊部山    とよべやま 532.6m
 
 
1/2.5万地図 : 丹波和田
 
【2007年1月】 2007-07(TAJI&HM)
 
   豊部集落に近い杉原川の東岸より  2007 / 1

 多可郡の旧・加美町(現・多可町加美区)は分かり易い地形で、南北を貫く国道427号線に沿って集落が形成されており、それを二つの長い尾根が挟んでいる。二つの尾根を比べると西の尾根が断然目立っており、加美アルプスと別称されている。その飯森山から千ヶ峰、深谷山と続く尾根は、雄大さでは兵庫ではかなり上位に位置付けても良さそうに思える。その尾根が目立ち過ぎるためか、千ヶ峰の東に前衛峰として佇むこの森内山から豊部山へと続く尾根は、特徴ある姿を持っていないためかどうも見過ごされがちで、兵庫の山にたくさん登りたいこちらとしても、積極的に向かう気持ちがなかなか湧かなかった。その森内山、豊部山を登る気になったのは、その尾根から加美アルプスを眺めるのも面白いのではとの考えが浮かんだためだった。
 向かったのは2007年1月の正月明けの日曜日のこと。国道427号線を北上して行くと、左手に見える加美アルプスは雪化粧の姿を見せていた。そして森内山はと見ると、加美アルプスの前では小ぢんまりとしていたが、これを一つの山として眺めると、標高に相応しい骨格を持った堂々とした姿だった。コースとしては森内山側から登ろうとは考えていたが、取り付き地点は決めていなかった。その森内山に近づくと、東端に小さな神社が見えた。地図を見ると、その神社のそばから取り付くのが無難に思え、そこで神社の横の駐車場に車を止めた。神社は五神社で、いかにも村の鎮守と呼ぶのが相応しい小さな神社だったが、手入れは行き届いていた。その神社の裏手に取り付いて、疎らな植林地の中を適当に登って行くと、さほど登らぬうちに小径に出会った。それが山頂へと続く尾根道のようで、どうやら奥豊部集落から来ているように思われた。その尾根道を登り出すと、少しずつ雪が見られるようになった。かまわず登って行くと、送電塔が現れた。そこが最初の展望地で、南に展望が広がっていた。その先も尾根道は緩やかなまま適度な歩き易さで続いており、次第に雪が増えて来た。そして一気に真っ白な所が現れた。雪は10センチほどだったが、そこは伐採地になっているためで、展望も広く開けていた。左手に深谷山、右手に篠ヶ峰と、北の風景が一望だった。その先も尾根は白くなっており、そこで漸くスパッツを付けることにした。スノーハイクとなったが、雪は多くても15センチほどで、足の負担にはならず、気楽なまま森内山の山頂に着いた。山頂は北の風が冷たく、また雑木に囲まれて展望も良くないため、風の避けられる場所を探ることにした。そこで少し先へと下って南側へと回り込むと、うまく岩陰が見つかった。そこで一休みとした。気温は5℃を指していたが、陽射しが当たっていたため10℃近くには感じられた。そこは南に向かって展望もあり、尾根続きの豊部山や、その奥には笠形山が覗いていた。30分ほどの休憩で尾根歩きを続けた。次のポイントは636mピークとなるが、その間は雑木林の中を白い道が続いており、良い雰囲気のスノーハイクだった。その辺りが千ヶ峰に一番近づくことになり、木々の切れ目から見えたその姿は、両翼を長く延ばして加美アルプスの盟主に相応しい風格があった。ところで登山を始めた頃より、猟銃の音が山中からときおり聞こえていたのだが、636mピークが近づいて、猟犬が一匹近寄ってきた。そしてこちらにつかず離れずついて来た。ハンターとすれ違ってもついて来て、636mピークを過ぎ、送電塔の立つ570mピークが目前となって漸く離れた。どうも猟犬の役目をしていなかったようだ。その間、ひたすら木々に囲まれての尾根歩きだった。そして570mピークに着くと、そこは送電塔のために切り開かれており、一転して好展望が広がっていた。東向かいに森内山があり、千ヶ峰はもう遠い位置になっていた。展望が良い上にそこはなぜか風がなま暖かかった。陽射しを受けてその風に当たっていると、まるで春先の山に立っているようだった。ところで豊部山だが、豊部山の点名が付く三角点は、570mピークから尾根を南に300mほど離れた位置にあったのだが、そこはどう見ても山頂とは言えず、単なる通過点と言えた。そこに三角点があるのは単純に測量上の理由で、豊部山としては送電塔の立つ570mの位置が正しいのではと思ってしまった。送電塔ピークを離れて三角点を過ぎると、急に雪が減って来た。そうなるとごく平凡な尾根歩きの雰囲気となり、木立も植林へと変わって来た。その中を歩き易いままに下っていると、いつしか主尾根を外れていた。当初の予定では点名・寺谷口へと尾根を伝う予定だったが、二つの山を登ったことでこの日の目的は達した思いがあり、そのまま下って行くことにした。次第に植林地は急斜面になったが、かまわず下って行くと、小さな沢に下り着いた。その沢沿いを歩いて行くと程なく小径に出会え、小径は林道へと繋がっていた。その林道を歩き出すと、すぐに小さな溜め池が現れ、そこを過ぎると自然と豊部集落に入って行った。
(2007/1記)(2014/2改訂)(2022/1改訂2)
<登山日> 2007年1月8日 10:00スタート/10:20〜24送電塔(No.58)/11:00展望地/11:23〜51森内山三角点/12:23[636m]ピーク/12:35〜50送電塔(No.57)/13:00豊部山三角点/[485m]標高点/13:40堰堤そばに下り着く/14:17エンド。
(天気) 晴れ。北風が強く吹きつける。北の空は雪なのか判然としていない。気温は木陰で5℃。視界はうっすらとモヤがかっている。午後に入って上空に赤黒い雲が見られるようになったが、下山までまずまず晴れと言える天気だった。
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森内山は一つの山として見ると、堂々とした姿
を見せていた
森内山の南端には五神社があった その裏から
取り付いた
植林地を適当に登って行くと、尾根道に出会え
送電塔(No.58)に着くと、そこが最初の展望地で、南側が開けていた 左の写真の右に続く風景を見る(北西方向)
豊部山を大きく見る 登るほどに、雪が見られるようになった 森内山山頂が近づいて、広い伐採地に出た
伐採地からは北から東にかけて展望が開けていた
またに山を大きく見る 立つ位置を変えると、上の写真より少し南の方向までが望めた
尾根ではときおり巨岩に出会った 森内山の山頂に着いた すっかり白くなっていた 三等三角点(点名・森内山)を見る

 山頂は雑木に囲ま
 れており、展望は
 良くなかった






 山頂からは梢越し
 に千ヶ峰が望まれ
 た





山頂近くの岩陰で休憩をした そこからは南の方向に展望があった これから向かう豊部山を大きく見る

 山頂を離れると
 尾根はなだらか
 で、すっかりス
 ノーハイクだっ
 た

 尾根の途中で千ヶ
 峰をすっきり見る
 所が現れた
尾根歩きの途中で大きな岩に出会った 送電塔の建つ570mピークに着いた 送電塔のそばから笠形山の方向を望む

 送電塔のそばから
 今歩いてきた尾根
 を眺めた

 千ヶ峰の山頂を大
 きく見る

   570mピークか
   らは南西に妙見山
   も望まれた
送電塔の間から森内山の右手を見る 四等三角点が置かれた豊部山に着いた 四等三角点(点名・豊部山)を見る
三角点の近くから東向かいの尾根を見る 三角点を離れると、雪は減ってきた 豊部集落が近づくと、溜め池のそばに出た