二度目の西光寺山は初登山から9年後の2002年5月の中旬、爽やかそのものと言える好日だった。篠山市今田町の本荘集落に入って、集落の奥にある墓地の駐車場に駐車とした。始めに林道を歩いて行った。林道は舗装されておらず、平坦なまま西光寺山に向かって真っ直ぐ延びていた。すぐに西光寺湖の脇に出た。溜め池のようだったが、きれいな水を湛えていた。その池の角に駐車場があり、それが本来の西光寺山への駐車場ではと思えた。その先も林道は平坦なまま暫く続き、山頂まで後1kmほどの所で漸く終わりとなった。その先は山道となったが、さほど上り坂にはならなかった。程なく小さな沢を過ぎようとすると、そこに水飲み場が設けられてあった。その後すぐに、炭焼き窯のあるやや開けた場所に出た。そこから上り坂が始まった。道は細いながらもよく踏まれており、歩き易かった。朝日に輝く周囲の雑木林を眺めながら、朝の清々しい空気の中を快適に登って行った。険しい所が無いので休まず登って行くと、炭焼き窯から30分ほどで尾根に着いた。もうそこから山頂までは僅かな距離だった。後は至って緩やかな尾根道を歩いて山頂に着いた。山頂は切り開かれており、三角点そばに小さな祠がある風景は記憶のままであったが、雑木が伐られたのか多少展望が良くなったようで、東から南にかけて広々とした展望が広がっていた。その山頂にはアマチュア無線愛好者のものか、高さ2メートルほどあるアンテナ用の枠組みが置かれていた。アルミ製なので簡単に動かすことが出来て、それを山頂に立てて登ってみると、一段と展望が良くなった。中口山の背後には堂々たる白髪岳が立っており、その左手後方には三嶽も見えていた。東から南にかけては西寺山から和田寺山、そして御嶽山の山並みが遮るものも無く見渡せた。ややうっすらとした空のせいか鮮やかさには欠けていたが、まずまず遠くまで見えていた。他には少し移動すると、西の尾根の彼方に三草山や数曽寺の山々、そして北西は梢越しだったが笠形山に千ヶ峰も望めた。ただそちらはモヤが強く、白っぽくしか見えていなかった。山頂を渡る涼しい風に快く吹かれながら、この展望を楽しんだ。その山頂に立っていたのは40分ほどで、下山は往路と同じ道を辿った。登山道を囲む新緑を愛でながら、ゆっくりと戻って行った。
(2002/5記)(2011/11改訂)(2021/7写真改訂) |