有馬三山の西隣に逢ヶ山と高尾山の二つの山が並んでおり、以前から気になっていた。ただ展望に関してはどうだろうかとの懸念があって、行きそびれていた。それでも一度は登っておきたいと、それも行くとなれば冬場が良いのではと考えていた。その考えを実行したのは2015年1月の最終土曜日、快晴の日だった。コースは神鉄有馬口駅を起点として、左回りで二つの山を登ることにした。そのコースを簡単に言えば、六甲森林林道から仏谷に入り仏谷峠に出る。仏谷峠は逢ヶ山と高尾山との鞍部になるが、先に逢ヶ山を登る。仏谷峠に戻ると高尾山に登り返す。高尾山からは北尾根を歩いて、途中の二つのピーク(水無山、鬼ヶ島)に立つ。その後は水無川のそばへと下り、有馬口の住宅地を抜けて神鉄有馬口駅へと戻ってくるコースだった。
8時に神鉄有馬口駅に降り立った。快晴とあって朝の冷え込みは強く、駅前の気温は0℃だった。唐櫃の集落を抜けて林道に入ると、気温は−1℃まで下がってきた。逢山峡に入って以降も0℃から1℃で推移した。仏谷コースはすんなりと歩いて行けるものと思っていたのだが、ひどい風水害があったようで、途中から道は抉られてしまったのか消えてしまった。それ以後は荒れた沢の中を歩くことになり、倒木や岩を越えてで、なかなかの歩き難さだった。ただ幸いなことに冬場とあって沢はほぼ枯れており、沢の中を適当に歩いて行けた。この風水害地帯は仏谷峠に近づくまで続いた。仏谷峠に着いて漸く普通に山道を歩けることになった。逢ヶ山までは急坂を一気に登って行く。山上に出ると一帯はほぼ植林地で、東西に長い尾根を西へと歩いて行くと、一番高いと思われる所に三等三角点(点名・唐櫃)を見た。全く展望の無い山頂かと思っていると、そうでも無かった。山頂を引き返す形で東に歩き、そして北へと歩いて行くと、マイクロウェーブ反射板が現れて、そこからは北に向かって思いのほか展望が広がっていた。遠方はうっすらとしていたものの、西光寺山や白髪岳がはっきり見えていた。また有野台や藤原台辺りが明るく眺められた。仏谷峠に戻ると、次は高尾山へと登って行くが、こちらもけっこう急坂だった。高尾山のピークに着くも、そこは樹林に囲まれており、展望は無かった。ただ昼が近くなっていたことでもあり、そこで昼食とした。高尾山からは北尾根コース以外にも湯槽谷山へ向かうコースがあったが、予定通り北尾根コースを下った。次のピークは水無山。そこには岩場があり、そこからも北への展望が得られた。そして次のピークが鬼ヶ島。100m下って30m登り返す。その鬼ヶ島でも僅かながら展望が得られた。南に向かっての展望で、湯槽谷山や逢ヶ山が近くに眺められた。その後も道なりに下りを続けると、水無谷へと下りてきた。そこからは水無川に沿って荒れた林道を歩くことになり、阪神高速7号線が間近になって舗装路に合流した。高速道の下を通ると、自然と有馬口の住宅地へと入って行った。その住宅地を抜けた先が有馬口駅だった。朝からの快晴は続いており、その頃には気温は8℃まで上がっていた。快い陽射しを受けながら、有馬口駅で電車を待った。
(2015/3記)(2020/9改訂) |