播州の北東部には笠形山から始まって飯森山、千ヶ峰、深谷山へと900mを越す山並みが南北に長く延びており、周囲の山からは抜きん出ている尾根である。その長い尾根を遠くから見ていると、尾根の北辺にすっきりとした三角形の頭をぽつんと出した山が眺められる。標高は900mに足りないが、尾根のアクセントとなってけっこう目立つ山である。それが三国岳で、名前の通り播磨と但馬、丹波の三国にまたがっている。この三国岳に初めて登ったのは1992年11月のこと。県道427号線を北へと走っていくと、播州峠が近くなった頃に「三国岳登山口」の標識が見えた。場所は加美町山寄上集落辺りで、そこより登山を始めることにした。紅葉期とあって紅葉を期待したのだが、全山ほとんどが杉の植林地となっており、紅葉はほとんど見ることが出来なかった。そして沢筋を離れた後の三国峠までの道はクマザサが群生しており、15分ほどはヤブコギを強いられた。峠からは歩き易い道となった。山頂では東面が伐採地となっており、そこからは伸びやかな風景が広がっていた。但しモヤの強い視界のため、すっきりとした展望は得られなかった。この日の下山は、往路を辿って戻った。
(2002/3記)(2009/7改訂)(2021/2改訂2) |