TAJIHM の 兵庫の山めぐり <西播磨 
 
峰旗    みねはた 855m 宍粟市
1/2.5万地図 : 山崎
 
【2000年11月】 2000-07(TAJI&HM)
 
    水剣山より  2005 / 10

 山崎町の北部には一際大きく黒尾山、そして水剣山が堂々とした姿を見せるが、その間にも幾つかの鋭鋒が並んでいる。その一つの855mのピークはその高さと言い、十分に存在感を持っている。最近になって山名として「峰旗」という名を見かけたが、名前が有ろうと無かろうとその存在は以前から気になっており、2000年1月16日に漸く実現させた。山崎町の梯集落の最奥より梯林道が始まっているが、その林道の入口近くに駐車した。朝よりどんよりとした雲が空を覆っていたが、天気予報は晴れ時々曇りとなっていたので、それを期待して林道を歩き始めた。林道を進んで行くと、多人数で念ずる声が聞こえて来た。間もなく沢沿いに小さな建家が現れ、そこに白装束の大勢の男女が集まって一心に念じていた。沢に入っている人もおり、どうやらどこかの宗教団体の行場の様だった。林道沿いには多くの車が置かれ、全国から集まって来ていることが窺えた。そこを通り過ぎると、後は静かな林道歩きが続いた。林道は沢沿いを一定の傾斜でほぼ真っ直ぐ延びており、両側は概ね雑木林になっていた。中間点でヘアピン状に曲がると、その先はまた真っ直ぐな道となって続いた。林道の終点に着くと、目指す尾根の斜面は伐採されていた。その伐採地の中に北の方向へ向かう小径が見えたので、それを登って行くことにした。伐採の跡地にはイバラが繁茂しており、少し手こずらされた。そのうちに道は消えてしまったので、イバラを避けて、灌木地を登ることにした。今度は灌木の小枝や倒木が邪魔をし出した。傾斜も徐々にきつくなって来た。常緑樹が多いが枯れ木も多く、掴まった幹がもろく折れてバランスを崩すことが幾度かあった。ようよう稜線に出ると傾斜はぐんと緩くなったが、尾根道は無く、相変わらずアセビなどの灌木をかき分けて進まなければならなかった。倒木も変わらず多かった。稜線に着いた頃より細かい雨が降り出したが、やがてミゾレ状の雪に変わってきた。その雪で視界はすっかり閉ざされてしまった。歩度が遅いためかいつまで経っても北東方向に進むため、道を誤ったのかと少し不安になったが、とにかく上り坂のうちは間違いないと考えて進んで行った。小ピークを過ぎて尾根筋は漸く南東に曲がったため、コースに誤りが無かったことを確信した。その辺りより稜線道が現れた。また広々とした所も現れて、尾根が好展望地であることを伺わせたが、雪に視界を閉ざされており何も見えなかった。特に峰旗の手前のピークは、岩場もあって視界を遮るものが無いだけに残念だった。北の尾根越しにうっすらと黒尾山の山頂部が見える程度だった。道は進むほどに良くなり、峰旗に着く頃にはハイキングコースと言っても良いほどの歩き易さになっていた。林道口からおよそ2時間半で峰旗に着いた。そこは周囲を雑木が囲んでおり展望は今一つだったが、平坦になっており、休むのには手頃な感じの場所になっていた。そのピークに着いた頃より漸く雪が止んだ。そして徐々に周囲が見えて来た。地表はうっすらとながらすっかり雪化粧になっていた。展望も現れて、北には梢越しに黒尾山の山頂部が今度ははっきりと見えていた。もう少し展望を得ようとピークから東に延びる尾根を少し下ってみた。するとそこは南東に向かって大きく開けており、与位集落の家並みが広がっていた。またそれを囲む山々の雲も薄れ出しており、遠くは明神山も見えて来た。そのようにして1時間ばかり過ごしていると、また天気は怪しくなって来た。今度は雨が降り出してきたので、そこで下山とした。下山は南に向かって稜線を道なりに下って行った。やがて道は主稜を離れて南南西の尾根へと向かって行った。いっとき道は細くなったが、常にテープの目印があって迷うことは無かった。途中よりはっきりした別の山道に合流すると、その道は尾根を離れて緩やかに沢筋へと下りて行った。その後は沢筋に沿って小径は続いていたが、最後は梯林道に合流して終わった。その頃には本格的な雨になっていた。林道歩きに変わって30分で林道口に戻って来た。それにしても、この日の天気予報はすっかり間違っていたようだった。
(2003/12記)(2013/6改訂)(2021/3写真改訂)
<登山日> 2000年1月16日 9:35スタート/10:16 林道終点/10:52稜線到達/12:18〜13:28[855m]ピーク/14:10林道出合/14: 38エンド。
(天気) 晴れ時々曇りの予報だったが、朝よりどんよりとした雲が空を覆っていた。風は無く、気温も朝で5℃程度のため、登る分には寒さは感じなかった。稜線に達した頃より細かな雨が降り出し、やがてミゾレ状の雪に変わった。雪は地表をうっすら覆うほどまでになったが、昼には止んでいだ。午後に入って、今度は雨が降り出して、林道に出た頃には本降りになっていた。視界は悪かったが、雪が止んだ昼どきにガスが一時薄れて遠方が望めた。
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峰旗のピーク近く
にて東南東の方向
を見る 左側の高
い峰はウリュウド
の南隣のピークと
思われた

南東の展望が現れ
出し、足元に与位
集落の家並みが眺
められた

(←)
南の方向に見えた端
正な山は、宮山と思
われた

   (→)
    北の方向はと見ると、
   樹間を通して黒尾山の
   山頂が望まれた