峰旗は黒尾山の南尾根から繋がるピークで、初めて登ったのは2000年1月のことだった。そのときは梯集落側から登ったのだが、天気が悪かったこともあり、あまり展望は楽しめなかった。そこで二度目は送電線経路でもある南東尾根で山頂を目指すことにした。送電経路なら展望は楽しめそうだった。向かったのは2021年4月23日のこと。天気予報は晴れとなっていたが、薄晴れ状の空だった。南東尾根には高尾林道で近づくのだが、その林道入口にはゲートがあった。ゲートに鍵はかかっていなかったが、林道を入口から歩き出したく、少し戻って与位集落内に駐車場所を求めると、そこから歩き始めた。入口ゲートを通過すると、その先にまだ保養所の建物があった。高尾林道は高尾川に沿って続いており、最初のゲートから12分歩いて二つ目のゲートが現れた。そのゲートは施錠されていた。そのゲートを回り込んで林道を更に北へと進むと、前方に送電線が見えてきた。その送電線の下まで来ると、そこが峰旗の南東尾根が始まる位置だった。その尾根端の手前より林道から分かれて作業道が尾根と並行して始まっていた。すぐに尾根に取り付くことはせず、始めに作業道を歩いて行くことにした。作業道は簡易舗装で始まるも、程なく砂利道に変わった。やや急傾斜で続いており、7分ほど歩いて終点となった。その先も谷筋に沿って小径があり、それは尾根上に点々と建つ送電塔の巡視路でもあるようで、プラ階段になっている所もあった。そのうちに小径は尾根に向かい出すと思っていたところ、そのポイントを見過ごしたのか、いつしか巡視路の感じは無くなっており、単に歩き難い沢筋をただ歩いているだけになってしまった。沢筋を歩く意味が無いので、尾根に向かうことにした。右手の急斜面に取り付くと、そこはヤブでは無かったが、足下がもろく踏ん張りがきかなかった。その登り難い斜面を休み休み登って漸くの思いで尾根に出た。GPSで現在地を確認すると、そこは標高400mほどの位置だった。尾根筋には巡視路としての尾根道があり、一気に歩くのは易しくなった。但し山頂までの標高差はまだ450mあったので、しっかり登ることになった。送電経路とあって尾根には何基かの送電塔が建っており、最初に出会ったのは山崎智頭線11番鉄塔だった。そこに着いて漸く展望が現れた。東に向かっての展望で、東向かいの尾根が一望だった。そこより30分ほど登って次の32番鉄塔に着くと、また展望が広がって暁晴山方向も眺められた。更18分登って13番鉄塔に着くと、そこは標高750mで、この日一番の展望地だった。東から南にかけての展望だけでなく、北も眺められて黒尾山をすっきりと見ることになった。そのまま易しく山頂に向かって行けるものと思っていると、巡視路として整えられていたのは13番鉄塔までだったようで、その先は小径が無いだけでなく、イバラや灌木が増えて急に歩き難くなった。そこで少し尾根筋から離れた位置を登った。そして尾根筋に障害が無くなったとき尾根筋に戻った。尾根上に岩場が現れてその先で尾根が緩むと、また歩き易くなった。その感じのまま山頂到着となった。休憩時間を入れてだが作業道に入ってから2時間15分、尾根に着いてからでも1時間44分かかっていた。峰旗の南東尾根はけっこう手強さがあったと言えた。樹林に囲まれた山頂の佇まいは21年前とあまり変わっておらず、展望はほぼ無かった。ただ休むには落ち着ける所で、のんびりと昼どきを過ごした。涼しい風が快かった。下山は往路を戻るのだが、南東尾根を歩けるうちはずっと歩くことにした。13番鉄塔まで戻ると、その展望の良さに改めて休憩をとった。その先も尾根の巡視路を辿り、12番鉄塔、11番鉄塔、更に10番鉄塔と歩いた。その先でプラ階段を見なくなったので、その辺りで巡視路は右手の斜面へと曲がって巡視路に向かったようだったが、今少し尾根を歩いた後に右手の急斜面に入った。斜面の木々に掴まりながら無理やりと言った感じで下って、作業道に下り着いた。着いた地点から6分ほど歩くと、高尾林道に合流した。後は林道歩きに移って与位集落へと戻って行った。
(2021/5記) |