神河町上越知集落の最奥に上越知川に沿って延びる林道があるが、その入口にあった空き地に駐車とした。上越知川沿いの道は地図では破線路で示されていたが、林道になっていた。舗装はされておらずかなりの急坂なので、林業用作業道と呼べるかも知れなかった。その林道を行ける所まで行くことにした。周囲は良く手入れのされた植林地が続いていた。林道は地図の破線路までも続かずに終わると思っていたのだが、まだまだ続いていた。高度を上げるに従って足下の土に霜柱が目立ってきた。上越知川も細流となってもう終点と思いきや、今度は山肌をトラバースぎみに軽四が一台通れるほどの幅となってまだ延びていた。漸く終点となったのは標高800m辺りで、もう
山頂までは僅かな距離になっていた。そこからは適当に山肌に取り付いた。一帯は植林地で、枝打ちされた枝が地表に積もっており、その上をうっすらと雪が覆っていた。そのため余計に滑り易くなっており、何度か足をとられた。それと間伐された木も多くあって、それを跨いで行くのも疲れることだった。尾根に出ると桧和田山の南面は広く伐採さ
れていた。おかげで展望は素晴らしく、飯森山や笠形山が大きく見えていた。その尾根に出てからは、踏み跡程度ながら、はっきりとした尾根道が現れた。尾根にも1〜2cmの積雪を見た。さほど傾斜のきつく無いままに桧和田山山頂に着いた。山頂は植林に囲まれており、展望は無かった。そこより尾根を北へと辿って行く。クマザサが現れてきたが、さほど密生はしていなかった。鞍部に着いて登り返すと、次第に樹間が空いてきた。
行く手の小畑山やその右手に千ヶ峰を望めたりした。程なく高畑山へ繋がる主稜線に合流した。 その辺りでは植林地は終わっており、疎らな雑木林に代わっていた。展望も良くなっており、西には白岩山から高畑山へと続く尾根が
間近に眺められた。その合流点からは北東へと小畑山を目指して尾根道を辿って行く。まずは886mピークへの登りである。その辺りは北側に高い木が見られなかったため、行者岳を始め北の山々が望めたが、北は小雪でも降っているのかどんよりとしており、ぼやけたようにしか見えなかった。その尾根では少し多く雪を見たが、それでも5cm程度だった。886mピークは雑木に囲まれていたので、すぐに本日の最高峰である小畑山へと向かった。淡々と尾根道は続いた。その小畑山への尾根は見た目ほど傾斜はきつくは無く、無理なく登って行けた。周囲は落ち着きのある自然林だった。やがて着いた小畑山は草地の山頂で、方向によっては木立は無く、この日初めての展望のピークだった。東には千ヶ峰から飯森山、笠形山へと続く尾根が望め、南西には先ほど立っていた桧和田山が見えていた。その西には七種の山々も広
がっていたが、そちらはモヤがきつくてはっきりしていなかった。北西を見ると高畑山の脇に生野高原が覗いていた。この小畑山の山頂で昼休憩とする。草付きの部分は雪が解けており、そこに座って南の展望を楽しみながら昼食をとった。ただ冷たい風が弱いながら絶えず吹いており、のんびり過ごすとはいかなかった。下山は次の937mピーク(点名・越知坂)まで行き、そこより南へ延びる尾根を下ることにした。行く手に937mピークが見えていたが、尾根筋のみに雑木を残した姿は少しユニークだった。相変わらず尾根道ははっきりしていたので、さほど時間はかからず937mピーク
に着いた。ピークは雑木に囲まれており展望は今一つだったが、少し北寄りの位置に僅かに展望があった。手頃な木に登ると、千町ヶ峰から生野高原、そして行者岳が望まれた。その937mピークからは南の尾根に入る。やや急坂になっていたが、もう雪はほとんど見られなかった。下るうちに植林地が広がってきた。尾根を標高にして100mほど下っった頃だろうか、突然ハンターと出会った。昼食どきに銃声が聞こえていたが、まさかこの尾根とは思わなかった。尾根は樹間が空いており、また下生えも少なかったので、順調に下って行けた。下るほどに傾斜はきつくなり、最後は木に捕まりながら沢そばに下り着いた。その
下り着いた位置からちょうど登山道が始まっており、後はその道を歩いて行くのみ。道はやがて林道に変わり、最後は上越知集落の東外れに出た。そこから駐車地点までは300mほどの距離だった。後は集落内の道を抜けて、駐車地点へと戻って行った。
(2002/6記)(2012/7改訂)(2021/3改訂2) |