初めて訪れたのは1994年7月下旬の暑い盛りで、西麓となる一宮町上岸田の野々谷集落から登った。地形図の破線路に期待して登り始めると、最初は沢沿いに広がる植林地の中に作業道が続いていたが、程なく道は不鮮明になり後は尾根を無理やり登るしかなかった。標高850m辺りを過ぎると尾根はなだらかになってきたが、それが災いして山頂方向が分かりづらくなった。またクマザサが増えて来て非常に登り難くなる。クマザサをかき分けかき分け登って、山頂に着いたときは3時間近くが経っていた。山頂はヒノキの植林と雑木とが混りあった林が広がっていた。さほど大きな木は見えなかったが、視界はほとんど無し。ただ山頂より少し離れると、梢越しに少しは展望を得られた。西から北にかけてで、黒尾山、東山、一山、藤無山、そして氷ノ山までが見えていた。展望に関してはその山頂部よりも、尾根の途中に好展望の場所があって、そこからは西から北へと、東山から須留ヶ峰までがクリアな視界のもと、遮るものも無く一望することが出来た。とにかくこの日は暑さの影響もあってか非常に厳しい登山で、疲れもひとしおだった。おまけに山頂で昼飯を作ろうとしたところ、ガスコンロは持って来ていたのに鍋を忘れており、昼飯抜きになってしまった。
(2002/1記)(2010/11改訂)(2020/11写真改訂) |