国道9号線にて笠波峠を越えて村岡町に入ると、左手にこの瀞川山が見えて来るが、高度感があってしかも伸びやかさがあり、実に良い雰囲気の山だといつも見惚れてしまう。この瀞川山も鉢伏山のように更に高い山から見下ろされると、どっしりと牛が横たわっている風の鈍重な姿に見えてしまう。瀞川山を訪れたのは1995年9月15日のこと。晴れ時々曇りの予想を信じて但馬へと向かったのだが、但馬地方は小雨になっていた。ハチ北高原の一角に駐車して暫し雨の止むのを待っていると10時頃に小止みとなったが、今少し天気の回復を待って、少し晴れ間の見えて来た11時過ぎより登山を始めた。暫くは車道を歩き、大笹集落上方からの登山道を探したのだが、登山口付近が現在道路造成中のため、分からなくなっていた。何とか見つけて登り出したものの、道には雑草が生い茂ってほとんど見えなくなっていた。途中まで道を辿っていたが、あまりに雑草が煩わしいため、近くの尾根に取り付いてその尾根を登ることにした。尾根にも道は無く、クマザサや雑木で難儀したが、何とか山頂付近まで登ると遊歩道に出会った。後は難無く山頂へ。山頂は好眺望地だった。鉢伏山から氷ノ山、妙見山から蘇武岳、また宝引山が遮るものもなく見渡せた。但し天気は回復したと言ってもまだまだ雲の多い空で、視界は多少ぼやけたものになっていた。この日の山頂は風も爽やかで、この眺望もあって、暫し昼寝を楽しんだりしてのんびりと過ごした。その後は、瀞川山の広い山上にせっかく来たのだから、この山上をもう少し楽しもうと、南西方向に暫く歩くことにした。この瀞川山は別に麓から登らなくとも山頂そばまで林道が来ているのだが、その林道を歩いて行った。気楽なものである。野間峠を過ぎ、ハチ北高原スキー場まで歩き、そして少しミカタ奥ハチスキー場側に入ってみた。そして青ヶ丸、仏ノ尾の展望を楽しんだ。この後は引き返し、野間峠に戻ったところで、近くの三角点ピーク(点名・名ヶ谷)に登ることを思いついた。この登路には道は無く、雑草とクマザサで難儀したが、むりやり登って三角点に辿り着いた。後はまたハチ北高原スキー場まで林道を歩き、林道がスキー場リフトと交差する辺りより、スキー場のゲレンデへと向かい、ゲレンデの中を下って駐車地点へと戻って行った。
(2004/11記)(2021/10改訂) |