2020年の5月を迎えて、新緑の千メートル峰を登りたくなった。登山としてもしっかり登りたいとも考えて、思い浮かんだのが後山だった。向かったのは5月13日で、この日は朝から快晴だった。但し宍粟市に入ると雲が増えてきて少し心配になったが、千種町まで来ても雲は空の半分以上まで広がることは無かった。県道72号線を北上し、松の木橋のそばから始まる河久保林道に入った。その林道を終点まで走って、行者コース登山口に到着した。何度か歩いたコースでもあり、その登山の様子は下の写真帳をご覧いただきたい。不動滝のそばを通ると左手に沢を見ながら登るようになり、その沢沿いの木々は自然林とあって期待通りに新緑色に染まっていた。沢風も快く5月ならではの爽やかな空気感を味わいながらの登りだった。その沢筋を離れたとき、コースは行者コースとおごしき山コースに分かれた。そこはパートナーの希望でおごしき山コースに入った。このコースは斜面をトラバースするように歩くが、そこでも新緑の木々を楽しめた。尾根に出て少し登った所がおごしき山の山頂で、「平成の大馬鹿門」が建っている。2年ぶりにおごしき山に立ってみると、その間だけでも木々の生長は明らかで、北の展望は少し狭まったように思えた。それでも沖ノ山から三室山まで一望となる眺めは悪くなかった。おごしき山を離れると、後は後山へとほぼ真っ直ぐな尾根を登るだけだった。標高差250mを登るので、それなりにしっかり登ることになった。登るうちにササを見るようになったが、そのササが山頂に近づくほどに増えてきた。ヤブコギになることは無いものの、以前よりも増えている印象を持った。山頂に着いたときは、おごしき山から35分が経っていた。小さな祠が置かれている山頂の佇まいは、前回からまだ2年しか経っていないとあってあまり変わっていなかった。東の展望も変わらず良かったが、氷ノ山の辺りは少し樹林が生長したのか見えずらくなってきたように思われた。山頂の木々はまだ裸木の姿で、新緑は今少し先のようだった。その後山山頂は爽やかな風が吹いており快いばかりだった。山頂では二人の登山者と出会ったが、二人とも岡山側から登ってきたようだった。山頂で休憩していたのは30分ほど。下山は行者コースではなく、一般コースを下ることにした。そのコースは兵庫側のメインコースとあって、歩き易いだけでなく目印テープも標識も的確に付いていたので、行者コースの分岐点、笛石山コース分岐点、その先の多少複雑な登山経路も迷わず下って行けた。行者コースと合流する頃には沢沿いを歩くようになり、再び新緑の木々を楽しむことになった。往路のおごしき山経由のコースでは山頂まで100分ほどかかっていたが、下山の一般コースは少し遠回りながらほぼ下る一方だったので、登山口まで84分で戻って来ることが出来た。
(2020/6記) |