TAJIHM の 兵庫の山めぐり <岡山県の山
 
王子が岳   (新割山) 233.9m 玉野市・倉敷市
(岡山県)
 おうじがだけ
1/2.5万地図 : 宇野・下津井
 
【2013年2月】 2013-11(TAJI&HM)
 
   ニコニコ岩より  2013 / 2

 王子が岳は岡山県玉野市の渋川海岸に間際まで迫る山で、渋川漁港側から山頂まで遊歩道が通じている。ただし山頂へは北側から車道も通じているので、車で楽々と山頂に立てる山でもある。そのことに少し抵抗を感じたが、稜線からは瀬戸内の風景が楽しめるとのことで、それに期待して向かったのは2013年2月の風が冷たい日だった。参考にしたガイドブックは「新・分県登山ガイド 岡山県の山」。王子が岳の東側に渋川港があり、その前が駐車場になっていた。そこに車を止めたのは正午が間近に迫った時間で、駐車場から遊歩道の入口までは100メートルほどの距離だった。その登山口の位置は交差点になっており、海岸沿いを続く国道430号線から北へと車道が分岐していた。その車道が王子が岳の山頂へと続く道だった。遊歩道は階段の道になっており、登るほどに渋川港が遠くなってきた。見上げる空は澄んだ青空も見えたが、北から絶えず雲が流れており、ときに上空に広がることがあった。階段道を中腹まで登ると、足下に明るい瀬戸の風景が広がってきた。意外な近さで大槌島が見えていた。澄んだ空と青い海は、ちょっと旅情を感じさせた。階段の急坂を越すと一気に緩やかになり、最初のピークは矢出山だった。その手前も緩い階段道になっていた。ピークに立つと標識があって、登山口から700m、山頂まで1200mと記されていた。そのそばから南の方向へ脇道が分かれていた。そちらに行くと瀬戸の展望が楽しめるのではと寄り道することにした。少し入るとベンチが現れて、そこで休もうとしたとき、アクシデントが発生した。その内容はここには書けないが、その処置が終わるまで結局矢出山に一時間半ほど足止めをすることになってしまった。漸くハイキングを再開出来たもののアクシデントが少々尾を引いて、すぐにはハイキングへと気持ちが切り替わらなかった。それでも明るい空の下を歩くうちに、少しずつハイキングに集中出来るようになった。尾根は緩やかなアップダウンがあり、前方に山頂に建つ東屋が見えていた。その山頂が近づいたときに現れたのが、巨大な岩だった。二つの大きな岩とその他の小さな岩の集まりで、ニコニコ岩と呼ばれる所だった。そこからは展望があり、瀬戸の風景が一望だった。瀬戸大橋までも見えるその風景は、一級品と言えるものだった。ただ山頂も展望は良いだろうと思えて、すぐに先を目指した。そのときすぐ近くで大勢の人の声が聞こえてきたので、木立の切れ目から覗くと、山頂そばの斜面に中学生らしい子供が何十人と遊んでいるのが見えた。ニコニコ岩の先にも展望の良い所があり、ニコニコ岩と同様に瀬戸が広く眺められた。けっこう展望を楽しめる山のようだった。その先で登山道は林道に合流した。その林道を少し歩いて山頂に近づくと、パークセンターの建物に出た。そのそばはハングライダーの基地になっていた。、後は舗装された遊歩道歩きだった。もう山頂の東屋が間近に見えており、そこにも大勢の中学生が休んでいた。記念撮影も行われており、それを見ると倉敷市立西中学校の生徒のようで、「立志ウォーク」として王子が岳に来ているようだった。山頂の東屋でその中学生の動く様を見ていると、若さというのは何ともパワーがあるものだと、ちょっと感心させられた。その山頂で10分ほど佇んでいると、中学生集団は山頂を離れ出した。程なくして山頂は静かな佇まいとなった。そこで王子が岳の山頂を改めて眺めた。芝生の広がる山頂は、ニコニコ岩と同様に瀬戸の風景が眺められる絶好の展望地だった。燦々と降り注ぐ陽射しを浴びながら瀬戸の穏やかな海を眺めていると、先ほどの自殺現場が遠い過去のように思われた。その山頂で憩った後はどう戻るかだったが、ガイド本では南に下って国道沿いを歩くとしていたが、どうも車の通行する所を歩くのは気が進まず、往路を引き返すことにした。ニコニコ岩で再び展望を楽しむと、後は尾根道を東へと戻って行った。矢出山を過ぎると、後は登山口へと階段道を下って行ったが、瀬戸を見ながら下るのも悪くなかった。王子が岳は瀬戸の多島海風景を楽しむのに絶好の山だったと思いながら、駐車地点へと近づいた。
(2013/2記)(2021/3改訂)
<登山日> 2013年2月8日 11:57渋川港駐車場スタート/12:00登山口/12:24〜13:46矢出山(アクシデントあり)/14:04ニコニコ岩/14:20〜35王子が岳山頂/14:47〜15:00ニコニコ岩/15:17矢出山/15:33エンド。
(天気) 晴れ。北の空は雲が多く、その雲が流れてきて、ときに上空に広がった。気温は6℃ほどながら、陽射しを受けているときは十分に暖かかった。それが雲が広がっているときは風も出て、途端に寒くなった。そのおりには気温は4℃まで下がっていたこともあった。視界は十分に澄んでいた。
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渋川港の前に駐車場があったので、そこに駐車
とした
そばの渋川港を見る 国道を挟んで北向かいに建つのは、幸福の科学
の中国正心館だった
国道沿いを西に歩くと、すぐに交差点だった 交差点のそばに王子が岳登山口があった 階段状になった遊歩道を登って行く
前方に矢出山を見る 階段道がずっと続いた 背後に瀬戸の海が広がってきた
渋川漁港も望まれるようになった 20分ほど登って漸く登山道の傾斜は緩んできた 矢出山へはまた階段が現れたが、緩い道だった
矢出山は登山口から700mだった 前方に王子が岳の山頂が望まれた 脇道が現れたので、そちらに入ってみた
   

  脇道に入ってアクシデントが発生して
  しまった。何やかんやで矢出山には一
  時間半ほど足止めになってしまった。

ハイキングを再開する 西へと尾根を歩いた 前方に見える王子が岳山頂が次第に近づいた
山頂まで600m地点を通る 途中でまた階段道が現れた  振り返って矢出山を見る
大きな岩が現れた そこがニコニコ岩だった そこは展望の良い所で、ベンチも置かれていた パートナーが岩の上に立って、瀬戸を眺めている
近くで人声が聞こえたのでそちらを見ると、大
勢の中学生が山頂近くの斜面で遊んでいた
休憩所のそばを通る また展望の良い場所が現れた ニコニコ岩にも
負けない展望の良さに、思わず足を止めた

 広々と瀬戸内海が
 眺め渡せた






一度林道に出て、パークセンターに近づいた パークセンターのそばはハングライダーの基地
だった
パークセンターから遊歩道で山頂に向かった
山頂でも大勢の中学生が集まっていた 山頂の東屋で、中学生の活動的な姿を眺めていた 山頂では二等三角点(点名・渋川)を見た

 東屋から北の方向
 を眺めると、うっ
 すらとながら本宮
 高倉山が望めた
上の写真の本宮高倉山を大きく見る 怒塚山と金甲山の並ぶ姿を大きく見る
常山を見る 中学生が去ると、山頂は芝生の広がる静寂の世界になった

 芝生の前からは瀬
 戸の海が思いっき
 り眺められた
四国側を眺める 讃岐富士の姿が端正だった 瀬戸大橋を眺める
下山は歩いてきた尾根を引き返すことにした 前方にニコニコ岩を見る そのニコニコ岩で休憩とした
暫し瀬戸の海を眺めていた 大槌島を大きく見る
ニコニコ岩から山頂方向を眺める 王子が岳の所々で岩場が見られた
ニコニコ岩からも渋川海岸が見えていた その渋川海岸方向へと下って行く 長々と階段道を下った
渋川海岸の後方に見えるのは宮田山のようだった 登山口が近づいた 駐車場に戻って矢出山の方向を眺めた
その夜は渋川海岸そばのホテルに泊まった 翌朝、ホテルの前から海岸を眺めた 左の写真に写る王子が岳を大きく見る