TAJIHM の 兵庫の山めぐり <岡山県の山
 
大空山    おおぞらやま 545.4m 美作市・西粟倉村
(岡山県)
 
1/2.5万地図 : 古町
 
【2008年1月】 2008-11(TAJI)
 
   西麓に流れる吉野川の近くより  2008 / 1

 国道373線(智頭街道)を走って兵庫県の佐用町から岡山県に入ると、そこは今は美作市となる旧・大原町の町域だが、地図の「古町」を眺めていると空に関する山名が幾つか散見出来た。星祭山に高照峰、そしてこの大空山である。それだけ空が美しいと言うことだろうか。この三つの山のうちまだ登っていなかったのが大空山で、冬のミニハイキングを楽しもうと軽い気持ちで出かけたのは2008年1月のことだった、。地図を見ると西麓の江ノ原集落から破線路が大空山の南を通って東麓の吉田集落へと続いており、どちらから登っても良かったが、単純に幹線側から登ろうと、江ノ原集落から山頂を目指すことにした。
 佐用町では現在、中国横断道姫路鳥取線の工事が国道373線に沿って行われているが、その工事は旧・大原町に入っても続いており、市街地を抜けるとその工事が東の山裾で大規模に行われているのが見えた。江ノ原集落に入り地図の破線路を目指すと、それは車1台分の幅しか無い林道で東に延びていた。それを進んで行くと長くは続かず高速道の工事現場で終わっていた。少し引き返し、小さなお堂の近くに駐車とした。破線路のままに歩いて尾根に出る予定で、林道を歩き始める。高速道の工事はこの日は行われておらず、ひっそりとしていた。左手にトンネルが見えていた。工事現場を越えると再び林道が始まったが、工事で寸断されていることもあり、道には杭が打たれたりして廃道のようになっていた。林道はすぐに細くなり幅広の山道のようになったが、傾斜が増して来ると更に細くなってごく普通の山道へと変わった。周囲は植林地で、進むほどにミツマタの木が多く見られるようになった。どの木もいっぱい蕾を付けていた。また道の上や山肌にちらちらと雪の残っているのが見えた。前日にでも雪が降ったようだった。山道は地図の通りにそのまま尾根に向かって行くものと思っていたのだが、途中から巻き道となって尾根と平行に南に向かい出した。それでは山頂方向とは離れてしまうので、山道を歩くのは止めて尾根に向かって急斜面を一直線に登ることにした。尾根まではすっかり植林地になっており、幹から幹へと伝いながら登って行くと、さほど時間もかからず尾根に出た。その尾根を山頂方向へと、北に向かって歩き出す。周囲の木々は植林から落ち着きのある雑木林の風景へと変わって行った。コナラなど落葉樹が主体とあってどの木も裸木になっており、明るい尾根だった。その木々を通して左手には星祭山から高照峰へと続く尾根が、右手には日名倉山が見えていた。その軽やかな雰囲気のまま登って行くと、尾根に出てから10分ほどで山頂に着いた。その山頂は周囲は雑木林に囲まれていたが、足下には笹が広がっていた。その笹は枯れかかっておりいずれ消えるのではと思われたが、その一段と落ち着きのある風情は好感が持てた。その山頂でいっとき佇んでいたものの特に展望があるわけでもないので、少し辺りの様子を探ることにした。周りを見回すと北東方向に大きな送電塔がさほど離れていない位置に建っているのが見えた。ちょっと展望を期待する気持ちもあって立ち寄ることにする。そちらに向かうと植林地を通ることになり、その辺りは日陰が多いのかうっすらとながら雪が地表を隠していた。数分で送電塔(No.58鉄塔)に着くと、やはり展望が広がっていた。北には駒の尾山から後山、そして東に日名倉山と、兵庫と岡山を分ける大きな尾根を眺めることが出来た。後山はやはり白くなっており、風格を増していた。この展望を得られたことで大空山に立っていることを実感出来、これで気分良く下山することにした。そのときまで下山ルートを決めていなかったが、これぐらいの低山なら岩場でない限りどこを歩いても適当に下れるので、そこで地図を開いて決めたのが山頂から西へ延びる尾根だった。一度山頂に戻り、西へ向かって下り出した。始めは雑木林を歩いていたが、すぐに植林地に変わった。その尾根を半分ほど下った位置で左手の斜面を谷に向かって適当に下って行く。周囲は植林地のままだったが、そのうちに作業用の小径に出会うと、後はその小径で無難に林道に下り着いた。そこは高速道の工事現場とはさほど離れていない位置だった。大空山と低山にしては大らかな名前の山に登ったが、その山頂の雰囲気は人の訪れの少ない山でこその落ち着きがあり、好感が持てたのは良かった。
(2008/2記)(2021/12改訂)
<登山日> 2008年1月19日 11:13スタート/11:43尾根に着く/11:55〜12:06山頂/12:14〜26「No.58]鉄塔/12:34山頂/12:58林道に下り着く/13:04エンド。
(天気) 朝方は快晴だったが、次第に雲が増えて来た。山頂ではまだ青空も多くあったが、下山を終えたときは薄曇りの空に変わっていた。気温は7℃ほど。山頂は風も無く、穏やかだった。視界は良し。
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駐車地点のそばに四国八十八カ所霊場巡り
を模したお堂があった
歩き始めてすぐに高速道の工事現場を横切る
ことになった
工事現場を越すと、林道には杭も打たれて
廃道になっていた
山道に変わるとミツマタが増えて来た 尾根に出ると木陰には雪が見られた 尾根が登り坂に移ると、雑木の尾根となる
山頂に近づく 冬枯れの雑木林が広がって
おり、良い雰囲気だった
山頂の三角点を見る 周囲は枯れかかった
笹原になっていた
山頂から木立を通して西の山並みを見る左は星祭
山で右は高照峰

 山頂からさほど離れて
 いない位置に大きな送
 電塔が建っていた

    送電塔の位置からは
     東の展望が良かった

 右上の写真の後山
 を大きく見る

     日名倉山を大きく
     見る