三瓶山は火山として形成され、中央の室ノ内を囲んで最高峰の男三瓶山、そして子三瓶山、女三瓶山、孫三瓶山など幾つかのピークが並ぶ山陰島根の名峰である。訪れたのは1995年10月下旬、前日の雨混じりの曇り空から一変して、この日は朝から快晴の空が広がっていた。男三瓶山の頂上にかかっていたガスもすぐに消え、清々しい空気の中を西麓の定めノ松より男三瓶山に向かってスタートした。まず西ノ原はススキの盛りで伸びやかな景色が広がっていた。そして緑の美しい山麓を常に眺めながらの男三瓶山へと登った。男三瓶山の山頂は360度の好眺望。そこより女三瓶山へは少し険しい所もあってその変化が面白く、またその途中で見える全山は見事に調和が取れており正に絵になる光景だった。次に女三瓶山から孫三瓶山にかけては紅葉が美しく、そして程良い歩き易さの小径が続いた。その後の孫三瓶山から見る男三瓶山の雄大さも素晴らしかった。その楽しいハイキングに天気も十分に応えてくれて、風は快いばかりの涼しさであり爽やかの一言だった。この男三瓶山から女三瓶山、孫三瓶山、子三瓶山と巡るコースは本当に変化に富んでおり、つくづく登って良かった思える山だった。他にも子三瓶山では陽気に誘われて暫く昼寝もしたし、女三瓶山から孫三瓶山への尾根ではシバグリ拾いも楽しんだ。ただ一つ残念だったのは、コースの一部で、観光用の馬のものと思われる馬糞がやたらと目に付いたことか。下山後は三瓶温泉の薬師湯に浸かって登山の疲れを癒すことも出来たのは良かった。
(2003/2記)(2014/7改訂)(2022/10写真改訂) |